6年前の2017年に起きた、幼稚園児同士のぶつかり事故で、学校法人に対して2千万の賠償金の支払いが命じられたニュースがあった。
正直ちょっと考えてしまう結果だ。
こういった事故を、どちらか一方の全責任として考えてしまう傾向が定着するのは、非常に危険な気がする。
後遺症が残ってしまった親御さんの心痛も理解はできるけど、この判決は働いている保育士さんや幼稚園教諭、経営者にとっては相当に厳しいものだと思う。
厳しく躾ければ良いとか、園側が気をつければ起きなかった事故だとは正直思えないんですよね。
今回は、このニュースについて思うがまま書いていきたい。
幼稚園児同士の事故で園側に2千万の賠償命令
事故があったのは、岐阜市芥見の東海第一幼稚園
岐阜県岐阜市芥見6丁目270
2017年7月20日、午後2時ごろ
園児たちが遊具を片付ける際に、遊戯室の外にある道具箱へ行き来していたところ、遊戯室から走ってきた別の園児と年中クラスの男児(当時4歳)が1階ホールで衝突したそうです。
この事故で男児は、頭を強く打ち内斜視と診断され後遺障害を負ったとのこと。
相手の園児も前歯が折れました。
幼稚園児同士のぶつかり事故で後遺症を負った男児側は、園側が安全配慮義務違反などを犯したとして、学校法人に対して2028万円の損害賠償を求めた訴訟を起こしていました。
そして2023年4月26日に岐阜地裁で、園側に2千万の支払いを命じました。
- 園児らが衝突しないような場所に道具箱を設置する義務
- 園児らの近くで監視・監督する教諭らを配置する義務
これらを怠った、安全配慮義務違反を認めたのです。
事故と内斜視についても『相当因果関係が認められる』と判断。
後遺症の残った園児のことが、どうでもいいと思ってるわけではない。
子供が負った内斜視が治るものなのか、一生治らないかが分からないけど、治らないとしてもこの判決は妥当なんだろうか。
道具箱が遊戯室から死角となる場所に置かれていたことを理由にあげているけど、どんな場所でも走り回る子供の正面衝突は起こりえると思うんですよね。
子供って100人いれば100通りの子がいます。
・きっちり注意すれば分かる子
・人の目があるときは、きっちりできる子
・意に介さない子
・多動性のある子
・本当に〇才?と思うくらい、しっかりした子
しっかり躾をすればしっかりできる、という理想的な子ばかりではないんですよね。
園側は人も時間も限りがあって、その中で本当に精一杯やっていると思う。
(と信じたい)
こうした事故は無くなって欲しいと思うけど、園が防げた事故だと言われると、何とも言えない気持ちになる。
判決に賛否両論の声
この判決について、様々な意見をまとめてみた。
賛同派の声
- 判決文から、園側に一定相当の過失があったのではと思う
- 園は運が悪かった…ただそれだけだと思う
- これで責任問われるなら、子供たちが暴れ回ってるのを放置してる親も裁いてほしい
- 親にも園にも責任があると思う、2000万はやり過ぎだと思う
- 大きな落ち度がないのに、賠償まで?と思ってしまう
- 保育園側に過失ありきで調査してるような気もする
否定派の声
- 園側は不服申し立てをするべきだと思う
- なんでもかんでも園側の責任にするのは違う
- ”園側に2千万円の賠償命令”って…正気か? こんなこと言われたら、きりがない
- いやぁ…コレが認められるとか保育士なりたくないですね
- 保護者が保育園に求めているものが多すぎ
- ぶつかりやすい死角をつくってしまったのは園の責任だと思う
その他の声
- 子供が大事にされ過ぎて、扱いが難しくなる
- 子供達相手で起きた事故が過失と言われてもね…
- 規則を厳しくしなくちゃね
- 子供達を締め付けることになるだろうね
- 保険をおろさせる事実関係作りの為の判決みたいなもん
- この賠償金で園が運営出来なくならない事を祈ります
ヤフコメには、本当にたくさんの意見が入り混じっていた。
子供の怪我や後遺症は気の毒だけど、こうやって園側にすべて責任を追わせることは果たして正義だろうか?
確かに安全措置の徹底はお願いしたいところだけど、それは家庭内だって危険はいっぱいあるはず。
注意を払っていたとしても、子供は予期せぬ行動を起こすので、完全に防ぐことは難しいようには思います。
このような事故が減るように、再発防止策はどう取れるのかをわかるように拡げてもらいたい。
安全義務配慮を考える
フランスとかでは、6児童に2人の保育士が面倒を見ているそうです。
それ位余裕ある人数で見て対応してないと、事故を未然に防ぐことはできないと思う。
全国ニュースで報道されたことによって、他の幼稚園も改めて安全対策を見直すきっかけになったことは間違いない。
注意を怠ってはいけないという教訓
子供の安全を考えて、道具箱の設置場所を変えたり、監視や監督する大人を配置すれば、危険を回避することもできるんですよね。
大人側でできることはある。
不幸な事故をひとつでもなくすため、安全について気を配る姿勢を持ち続けることが大切ではないでしょうか。
最後まで読んでくれてありがとうございました。