2023年11月14日、宝塚歌劇団は外部の弁護士らによる調査チームの報告書を公表し、記者会見を行いました。
長時間労働を強いる環境があったとした一方で、上級生によるいじめやパワハラは確認できなかった、と断言しました。
でも、2018年には別の飛び降り事件も起きていると週刊誌が記事にしています。
今までパワハラは聞いたことがないと言い切っていることに、驚いた。
この会見を見て、宝塚歌劇団はシロだと思う人はいないと思う。
数十年単位で同じように繰り返されてきたことの中で、一人自殺者が出てしまったことの〝イジメ〟が原因と言いたくない運営側。
これまでそうならなくてもイジメが原因であることに違いはない、というご遺族の怒りに主張の差が出ているこの問題を今日は書いてみたい。
宝塚の記者会見が酷すぎる
冒頭に「ご遺族の皆さまに誠心誠意対応する」と宣言しておきながら、「故人に対するいじめやハラスメントは確認できなかった」と遺族の訴えを真っ向から否定した宝塚。
Aさんの自殺前から、宙組内でのパワハラ疑惑は文春でスクープされているんです。
ですからその時点で、内部的なヒアリングは実施してたはず。
それなのに Aさんが亡くなるまで実態を把握してなかった、超過労働が全ての元凶というこの会見はおかしいと思う。
報告書では
・ヘアアイロンが当たった事実はあったが故意ではない
・舞台の安全のため厳しい指導はあるがパワハラはない
・暴言もしていない
・いじめかどうかは判断できない
ヘアアイロンは、少し指とか皮膚とかに当たってアチッってなることはあるけど、ちょっと赤くなる程度なんですよ。
よくあることじゃないし、かなりの秒数を当てなきゃ火傷にはならないんです。
おそらく、あまりにもイジメやパワハラの件数が多すぎて、 報告できないのではないでしょうか。
ジャニーズ、日大、宝塚の調査報告書を比較すると、宝塚の報告書が飛び抜けて出来が悪いように感じる。
劇団は
・宙組に問題があったとは考えていない
・宙組の東京公演は上演したいし、芹香斗亜のトップ体制に変更はない
と、公演再開するようなんですよね。
個人的には、公演再開はまだ早いと思う。
聞き取り調査を拒否した宙組4人
この4人がイジメの当事者で証言を拒否してるのか、イジメを告発したいが報復を恐れていて葛藤しているのか、理由はわからない。
ヒアリングに応じなかった人の理由次第で、状況が変わってくると思うんですよね。
プライバシーの観点から、応じなかった人が公表されることはないけど、 詳しく知っているものの、何かに怯えて言えない生徒なんだろうか。
または報道に出ていないことへの罪の意識があり、それが暴かれることを恐れている生徒なのか…
疑惑の宙組の4名はヒアリングを辞退したのだから、もはやパワハラが確認できなかったのではなく、確認しようともしなかったようにさえ思える。
つまり事実を隠蔽していると言うより、本当に調査したのかさえ疑わしい。
あろうことか次の公演に神経を注いでいるのだから、驚く。
いったい何のための調査なのか分からないし、いったい何のための誰に対する謝罪でさえも分からなくなってきた…
もはやパワハラが伝統で、誰に何を言われようが伝承して行く覚悟すら感じる。
刑事事件の可能性もあるのだから、たとえ力のある劇団員が加害者でも膿を出さないと、組織全体が社会の信用を失い、宝塚ブランドも落ちていくだけだと思うんですよね。
この4人が拒否したのではなく、もしイジメがバレた時にイジメをしてないと嘘をついていた事になるから、宝塚がヒアリングを止めている可能性も捨てきれない。
拒否していたら、
ということなんだろうか。
イジメしてないって言ってて、後からバレたらそれこそ終わってしまいますからね…
宝塚でいじめやパワハラがないのは信じられない
上級生に詰め寄られたことが心理的負荷になった、と言ってる劇団。
それをいじめやパワハラと言うんじゃないんだろうか。
劇団側の調査報告は、第三者委員会に依頼しておらず法律事務所に依頼していて、客観性・公平性に欠ける印象を受ける。
今の宝塚は、ジャニーズよりずっと危険な組織だと思う。
ジャニーズの性加害、加害者は既に亡くなっているのでこれ以上新たな被害者は出ない。
でも宝塚は、その暴言とパワハラをしていた人間が丸々残っているんですよね。
しかもその人が、これからの宝塚歌劇団の中心として活動する事になります。
これからさらに上級生の権力が強くなるのだから、新たな被害者が出るのはほぼ確実でしょう。
暴言やパワハラを認めないなら、その上級生は処罰されないのだから反省もしない。
新たな被害者が出る可能性は、非常に高いと思う。
会社がすべきことは、加害者を守ることでなく、事実を明らかにすることではないでしょうか。
償うべきことは償う姿勢。
隠蔽することは宝塚の存続を危うくするし、ファンであればあるほど、この案件がうやむやにされず、誠実に対応されることを願っていると思います。
最後まで読んでくれてありがとうございました。