甲南医療センターで働いていた医師が自殺したのは、長時間労働による精神障害が原因だったとして、労災が認められていたことが8月17日に分かりました。
亡くなる直前の1カ月間で、197時間36分もの時間外労働をしていたという男性医師。
ただ、病院側は本人が自己申告していた『残業時間』は30時間30分であり、全てが実際の労働時間ではないと言っているんですよね。
若い医師を守ろうとしないこの病院…
職場の若者が自殺した事実に対して「我々は関係ない」という前に
彼を追い詰めてしまう何かが職場内になかっただろうか?
と、まずは考えてほしい。
甲南医療センターの医師が自殺【神戸】
画像引用 讀賣新聞オンライン
兵庫県神戸市東灘区の『甲南医療センター』に勤めていた26歳の男性医師が、2022年5月に自殺していたことが分かりました。
男性は医師になってから3年目で、自殺するまで約3か月間は休日がなく、直前の時間外労働は、国の労災認定基準を大幅に超える月207時間に上っていたとのこと。
長時間労働が原因で、うつ病を発症していたそうです。
亡くなった男性は、神戸大卒業後の2020年4月からセンターで研修医として勤務。
2022年4月からは、消化器内科の専攻医として研修を受けながら診療していたそうです。
5月17日の退勤後、神戸市の自宅で亡くなっているのを訪ねた家族が見つけ、兵庫県警が自殺と断定。
両親に遺書を残していたため、西宮労働基準監督署はこの自殺を、労災と認定しました。
甲南医療センターは、労基署が認定した労働時間に基づき、未払い残業代130万円を遺族に支払ったことを明らかにしました。
医師の研修は過酷だと聞いたことがある。
大きな病院であればあるほど、医療スタッフは過酷なんだそう。
亡くなられた男性のご冥福をお祈りいたします。
甲南医療センターがブラックすぎる
画像引用 サンテレビ
医師はたしかに時間外残業もあるし、そうしないと業務がこなせないらしい。
ただ、月200時間を超えるなんて、普通では考えられないと思う。
国もそういう事がある事を把握しているから、医師の残業時間の上限を160時間に上げていたり、自己研鑽(じこけんさん)なんて表現が使用されてるんだと思う。
自己研鑽なんて言うけど、ほとんど義務的な労働もあって、残業代もほとんど支払われていないのが現状のようです。
この言葉はどこの病院でも使われているみたいですけど、労働時間を短く申告させる為の病院にとって都合の良い言葉でしかない。
実際そう言われて働いている若い医師は、おかしいと感じながらも納得していない人がほとんどでしょう。
今回の件が、自ら進んで行う自由意志による自己研鑽だったとしたら、自殺を選ぶほど追い詰められるまでやるはずがないと思う。
若手の医療従事者が、地域医療の犠牲になるのは許せない。
亡くなられた男性は、消化器内科の医師3年目。
通常業務をこなすのも必死だったはず。
志し半ばで命を落とされたのは、残念でなりません。
病院側は指示を出していなかったとのことだけど、それはつまり、
・誰が何時間働いていたか把握していなかった
・見て見ぬふりをしていた
どっちなんだろう…
この病院は、今回の自死について、真正面から向き合っていないように感じる。
それは許されることではないと感じます。
ここまで過激でないと労災認定されないのは、本当に異常としか思えない。
医師が犠牲になるのは酷すぎる
画像引用 産経新聞
8月17日午後、会見を開いた甲南医療センター。
「医師には自己研さんの時間も含まれていて、タイムカードの打刻の時間が全て労働時間ではない」として、男性の正確な労働時間は分からないと説明しました。
病院側はこのように主張しています。
・高度な専門性を身に着けるための「自己研鑽(けんさん)」や睡眠時間などが含まれている
・全てが労働時間にあたるわけではない
・自主性を考慮した職場環境だった
・過重な労働を課していたという認識はない
自己研鑽とは都合のいい言葉だな…
同じように苦しんでいる人もたくさんいそう。
結局この病院長が言いたいのは、個人の特殊性において起きた事件だという事で、
病院は悪くない
という事だと思う。
こんなひどい上司の下で働いていた男性が、気の毒でならない。
この様な病院が他にも存在しているようなので、専攻医の研修先を途中でも簡単に変えられる制度が必要ではないでしょうか。
国の税金を使って育てた医師国家資格を持った大切な医師を、このような事で潰して言い訳がない。
最後まで読んでくれてありがとうございました。