2024年12月29日、韓国・務安(ムアン)国際空港で発生した旅客機墜落事故。
チェジュ航空の飛行機に乗っていた、179人が亡くなりました。
事故の影響で、キャンセルが続いているそうです。
韓国旅行を予定している人、これから飛行機に乗らなくてはならない人は不安だと思います。
今回は、韓国の航空会社について調べてみました。
韓国の航空会社は10社
韓国の航空会社は、大きく分けて以下の3つのカテゴリーに分類されます。
フルサービスキャリア(FSC)
- 大韓航空(Korean Air)
- アシアナ航空(Asiana Airlines)
ハイブリッド航空会社(HSC)
- エアプレミア(Air Premia)
格安航空会社(LCC)
- チェジュ航空(Jeju Air)
- ジンエアー(Jin Air)
- ティーウェイ航空(t’way Air)
- エアプサン(Air Busan)
- エアソウル(Air Seoul)
- イースター航空(Eastar Jet)
- アエロK(Aero K)
合計で10社の航空会社が運航しています。
これらの航空会社は、国内線および国際線を運航しており、特にLCCは日本-韓国間の路線を多く展開しています。
過去の事故は?
韓国国内でこの10年に飛行機事故は、67件発生しています。
韓国行政安全部が2024年12月29日に公表したデータによると、2023年までの10年間で59人が死亡しているそうです。
事故の原因を分析すると、52.3%(34件)がパイロットの過失が原因なんだとか。
そして、43.1%が着陸段階で発生しているそうです。
平均すると年間6~7件の事故。
つまり2ヶ月に1回の以上ペースで事故が起こっていることになります。
飛行機の平均使用年数
韓国の航空会社が飛行機をどれくらい使っているのか、平均使用年数を調べてみました。
- 大韓航空 11.4年
- アシアナ航空 12.3年
- エアプレミア 4.7年
- チェジュ航空 14.4年
- ジンエアー 12.7年
- ティーウェイ航空 13.0年
- エアプサン 9.7年
- エアソウル 14.4年
- イースター航空 10.2年
- アエロK 16.6年
飛行機って高いですから、そんなに買い替えれないですよね。
航空機の安全性は、使用年数よりも適切な整備が重要であることが分かっています。
ちなみに、ティーウェイ航空の機長がブレーキの交換を会社にお願いしたら拒否されたことがあったそうです。
基準値1mmより短かったため、機長はそのまま飛行拒否したら6ヶ月の停職になったとのこと。
今年1月tway仁川ベトナム便で出発準備中の機長がブレーキパッドの摩耗を知らせるインディケーターピンが基準値1mmより短かったためブレーキの交換を要請したのに会社が拒否、機長はそのまま飛行拒否したら6ヶ月の停職になったと…いやtwayも怖… #チェジュ航空機事故 pic.twitter.com/U8oxPCdqGf
— 日本語教師なな | 일본어교사 나나 (@N181003) December 30, 2024
信じられないような話ですよね。
月平均運航時間
引用 : https://www.rentio.jp/matome/2024/06/south-korea-cheap-flight/
ちょっとびっくりしたのが、チェジュ航空の418時間という運航時間。
- チェジュ航空 418時間
- 大韓航空 355時間
- アシアナ航空 335時間
- ジンエアー 371時間
- ティーウェイ航空 386時間
- エアプサン 340時間
事故を起こした7C2216便も、48時間内で務安・済州・仁川空港、タイバンコク、日本の長崎などを行き来しながら13回運行していたそうです。
LCCの中でも、チェジュ航空は飛びぬけて運行時間が長いですね。
整備費はいくらかけてる?
韓国の国土交通省が発表した2023年のデータには、驚きました。
なんと、大手航空会社(FSC)の整備費用は、1機あたり約10億5929万円。
一方で、格安航空会社(LCC)は約4億5613万円。
その差は、2.2倍にもなります!
さらに驚くのが、エンジンや部品の購入費用です。
FSCでは1機あたり約4億5148万円ですが、LCCは19億1000万ウォン約2億315万円!
これも倍以上の差があります。
予備エンジンの確保率もかなりの差があるようです。
FSCは20.3%と高めですが、LCCはわずか9.2%。
韓国の航空会社全体で保有する195基の予備エンジンのうち、FSCが166基、LCCはわずか29基なんですって。
大韓航空とアシアナ航空は、国内で自社整備施設を持っているそうです。
そのため整備費用も、1機あたり約12億3368万円や約13億1852万円と高額。
でも、これだけ投資してるから、安心して乗れるのかもしれません。
一方で、LCCは自社施設を持たず、整備を国内外の業者に委託しているんです。
その結果、整備費用はかなり安く、このような数字が出ています。
- チェジュ航空 約5億6309万円
- ティーウェイ航空 約2億9752万円
航空会社の裏側には、こんなに大きな差があるんだと驚きます!
整備士の人員は?
整備人員にも、大手航空会社(FSC)と格安航空会社(LCC)の間で大きな違いがあるようです。
2023年のデータを見ると、整備士の数は驚きの差があります。
まず、大韓航空の整備士は2661人!
そしてアシアナ航空も1302人と、かなりの人数を確保しています。
一方で、LCCの状況はというと…
- チェジュ航空 469人
- ティーウェイ航空 344人
- ジンエア 272人
- エアプサン 181人
なんと、4社を全部足してもアシアナ航空に届かないんです!
さらに、1機あたりの整備士数で見ると、その差はもっと鮮明になります。
FSCでは、1機あたりおよそ16人の整備士がいるのに対し、LCCではその60%ほどの10人前後。
それにしても、こんなに大きな差があるなんて驚きです。
どちらにしても、飛行機に乗るときの安心感って大事ですよね!
滑走路にコンクリートの壁がある空港は?
引用 : https://japanese.joins.com/JArticle/328040
国土部のチュ・ジョンワン航空政策室長の説明によりますと、コンクリートの壁がある空港は3つです。
- 務安(ムアン)空港
- 麗水(ヨス)空港
- 清州(チョンジュ)空港
事故があった務安国際空港の特徴をまとめると
- 滑走路端から約300メートルの位置にローカライザーが設置
- コンクリート構造物の高さは2メートル
- 構造物の上に盛り土があり、ローカライザーを含めると高さ4メートル
- 滑走路端安全区域は199メートル
麗水空港と清州空港が、同じなのかどうか調べてみましたが具体的な情報を見つけることができませんでした。
そして、金浦(キンポ)空港と大邱(テグ)空港などには、方位角施設が高いところでなく地面に設置されているそうです。