給食の調理を委託されていた、広島市に本社を置くホーユーが突然、営業を停止し、食堂運営を業務委託していた学校や警察、さらには自衛隊も大混乱する事態になっています。
本来なら、地元企業に委ねるような業務だと思うんですよね。
だから、本当に不思議。
広島県内で頑張れば良かったのに、なぜ全国展開したんだろう。
どうやらこの会社、社長とMという人物のツーマン経営で日本全国150施設、展開していたそうです。
たぶんホーユーは他の給食業者に比べて、ビジネスモデルとしては異端だったと思う。
なぜ各地の官公需の受注が多かったんだろう…
他の給食業者と比べて、正社員数が極端に少ないホーユー。
これだけ物価が上がって、大手飲食店も値上げしてるのに、据え置きで今までと同じものを提供しろっていうのは無理があると思う。
ただホーユーは給食停止騒動以前にも、法外に安い賃金でベトナム人実習生を働かせ、さらには不当解雇したとして裁判沙汰になっていたこともあるんですよね。
今回は、この問題について考えたいと思います。
ホーユーが給食をストップで破産へ
画像引用 @gaya90414532のツイッターより
全国各地の食堂などの営業がストップしている問題で、運営会社ホーユーの社長は 、このように言っています。
今月1日の夕方、破産することを決めた。予期せぬ動きがございまして本当に急転直下だった。青天の霹靂だった。廃業せざるを得ないことになったことに対して、学生さんや関係各位に申し訳ないなという気持ちはありますけれども、実際このままの考え方でやれば学食も寮食も破綻すると思います。 出典 : 広島ニュースtss
9月から、やむを得ず事業を休止したとのこと。
記事によると 、広島の落札金額は他の府県と比べると半分以下なんだそうです。
全国で一番安く、運営できない金額で平然と落札され、値上げの申請に行くと「わかった値上げしよう」という学校や役所はゼロ。
格安で落札して、値上げのお願いしたらそりゃ断られると思う。
日本人に30年間染み付いたデフレ根性
安ければ安いほど良い
は、はまだ拭えていない。
事前に相談しても

他の安い価格の業者と契約します
で押し切られるだけなんですよね。
それほど卸側の立場が強い。
スーパーを想像してみれば分かることなんですけど、どれだけ良い商品でも少しでも安い物を選ぶ権利はスーパー側にあって生産者にはないんです。
これはあらゆる業界で、優越的地位を利用した買い叩きが起こってきた現実。
今回、ホーユーは
・公共施設給食に特化しすぎ
・公共入札に対応するため営業拠点あたりの社員が手薄
・食べ放題を売りにしていたため、利幅が薄い
給食業者大手の規模は
① 日清医療食品 2570億円
②エームサービス 1612億円
③グリーンハウス 1316億円
④シダックス 1101億円
⑤LEOC 911億円
⑥富士産業 824億円
⑦魚国総本社 605億円
⑧メフォス 570億円
年商20億もないホーユー が、全国展開をするには無理があったと思う。
コンビニやスーパーの弁当でさえ、この半年間で勝手にバンバン値上げしている。
値上げ出来ない給食会社の破綻は、当然ではないでしょうか。
給与は月1万円でベトナム実習生の不当解雇
2019年、技能実習生として働いていたベトナム人の女性が不当解されたとして、訴訟提起を起こしていました。
広島の高校の食堂停止ニュースの会社…
やっぱホーユーじゃん
何故か「委託料が安いからだ!」みたいな擁護の声があるけど、2020年にも外国人実習生に酷い事してるよ
そういう会社に委託する側もどうかと思うhttps://t.co/vD3nzWdU2H pic.twitter.com/XIs945PYid— 高雄 (@xiong_gao471385) September 4, 2023
女性は2016年6月、総菜製造会社「ホーユー」(広島市)の実習生として来日。
3カ月に約3万円しか給料が支払われないなど、最低賃金以下で働かせられ、同11月に待遇改善を求めた直後に解雇されたと主張。
訴訟の中では、
・ホーユーが監理団体とともに「実習生の女性が行方不明になった」という主旨の虚偽の書類を作成していたこと
・ベトナムの送り出し機関から違約金として約22万円を受領していたこと
が発覚しています。
ホーユーは虚偽の申告と書類を作成し、金銭を受領していたようです。
この問題、2020年に計200万円の解決金を支払う条件で和解が成立。
このホーユーという会社、給食の入札って凄い安い金額でやらされるから、まともにやったら経営成り立たないんでしょうね。
無理してまで入札に参加するのは違うと思う。
給食ビジネスモデル破壊はホーユーだけの問題だと思う
画像引用 HOME広島ホームテレビ
このニュースを知った時、正に今の日本経済の矛盾点が凝縮されていると感じた。
・無理な賃上げ
・無責任政府による円安がもたらす物価高
・ビッグモーターや損保ジャパンによるハリボテの企業収益
・水面下で続く家庭貧困による不景気
表面化はしていないけど、何も改善されていない日本経済。
その辻褄合わせ的な矛盾のシワ寄せが、ここに表出したんだと確信した。
これからも、似たような破綻がアチコチで発生するのではないでしょうか。
真面目にお客さんのために、少しでもコストカットしようとする人が損をする社会。
反対に不正だろうがなんだろうが、自己中の犯罪者がやり逃げできる社会。
明らかにおかしいと思う。
そもそも社食っ安過ぎますよね。
これだけ食品などの物価が想定以上に高騰している中で、一般より安い価格で社食を提供せざるを得ない業者さんは大変だと思います。
最後まで読んでくれてありがとうございました。