「マクドナルドの社長って、中国人なの?」
そんな素朴な疑問が、今SNSでじわじわと広がっています。
でも、この話、単なる国籍の話にとどまりません。
火種となったのは、毎年恒例の“あの企画”。
子ども向けのはずのハッピーセットが、いつの間にか大人たちのターゲットに。
ポケモンカードの転売が横行し、その矛先が思わぬ方向へと向けられたのです。
今回の記事では、ポケカ騒動の裏側から、社長の国籍にまつわる誤解まで。
見過ごされがちな情報のズレを、冷静にひも解いていきます。
マクドナルド社長の国籍が炎上
「日本マクドナルドの社長は中国人なんだって」
そんな声が、X(旧Twitter)を中心に広がっています。
注目されたのが、日本マクドナルドの社長であるトーマス・コウ氏。
ただ、これは事実とは異なります。
トーマス・コウ氏は香港出身・オーストラリア育ちの国際的なビジネスリーダー。
「中国人」と一括りにするのは不正確であり、ネット上の一部で出回った情報は、誤解や憶測に基づくものでした。
名前も英語名(Thomas Ko)です。
日本の企業の乗っ取りが静かに侵攻している!
日本マクドナルド
ソニーマクドナルドなんてどうでも良いが、ソニーはヤバ過ぎじゃないか?
中国人が社長なんだって! pic.twitter.com/B3IM7hfPRa— 独身貴族 (@futokute181919) August 11, 2025
実際、コウ氏が日本マクドナルド社長に就任したのは2024年7月。
その後、2025年3月にホールディングス社長も兼務し、経営の中心に立っています。
このように、背景をきちんと把握すれば、SNSで流れる噂やイメージと、実際の人物像には大きなギャップがあることが見えてきます。
次の見出しでは、改めて「中国人」との噂がどこから来たのか、そしてその誤解がどのように広がったのかを見ていきます。
日本マクドナルド社長は中国人?
2025年夏、ポケモンカード付きハッピーセットの転売騒動をきっかけに、日本マクドナルド社長トーマス・コウの国籍が話題になっています。
SNSでは、こんな声があがっています。
日本マクドナルドの社長
中国人だったんだ
そんなんばっかだね— じゆう虫✨ (@bolbolSymbol) August 10, 2025
マクドナルドは中国人が社長とのことなので、我が家はモスバーガーに変えました☺ https://t.co/35XiNH7jqS
— 🔶🍊🇯🇵フェミニスト🇯🇵🍊🔶 (@japanfeminist) August 10, 2025
しかし、こうした噂や印象は、正確な情報をもとに冷静に整理することが大切です。
まず事実から確認しましょう。
トーマス・コウは香港出身、オーストラリア育ちの経営者です。
「中国人」との声がありますが、これは厳密には誤解です。
香港は現在、中国の一部ではありますが、特別行政区として独自の文化・制度・社会構造を持ち、国際的にも別の枠組みとして扱われる地域です。
このような背景を知らず、「香港=中国本土」と受け止めてしまう人が多いことも、今回のような誤解につながっているのかもしれません。
それでも、名前や出身地に対する先入観から「中国人なのでは?」という印象を持たれてしまったことは否定できません。
加えて、タイミングの悪さもありました。
ポケカ転売問題でフラストレーションが溜まる中、企業のトップであるコウ氏に対して、
「社長が転売に関与しているのでは?」
という根拠のない噂がSNSで拡散されたのです。
マクドナルド終了だな
さんざん問題になってるのにいまだにハッピーセットを中国人転売ヤー向けにやってる
社長が中国人なのか…子供のいる身としてはこんな店遠ざけたい
普通子どもメニューは子どもしか注文出来ない物なのにね
おかしいねマック🍔🍟 https://t.co/Er5VpsGahF pic.twitter.com/Orh7Pvxotc— シンパパ🟠はフォロバ (@shinpapadaro) August 9, 2025
当然ながら、そのような証拠は一切ありません。
しかし、炎上時には「誰かを責めたい」という感情が先行してしまうことも多く、そこに“外国出身の社長”という要素が組み合わさり、誤解が一層広がってしまったと考えられます。
一方で、トーマス・コウ自身の経歴を見ると、彼は2000年にドイツ企業に入社後、BCG(ボストン・コンサルティンググループ)やマクドナルドのグローバル部門など、国際的なキャリアを歩んできた人物です。
2024年7月に日本マクドナルドの社長兼CEOに就任し、2025年3月には日本マクドナルドホールディングスの社長にも就任しています。
単なる“外部の人”ではなく、日本市場での成長戦略を本格的に担うリーダーです。
だからこそ、国籍や出身地に関する話題が出たとしても、それだけで評価するのではなく、何をしてきたのか・何を目指しているのかに目を向ける必要があります。
誤解や印象で語られがちな時代だからこそ、事実に基づいた冷静な視点を持つことが、私たちにも求められているのかもしれません。
次は、そんな誤解の引き金となったポケカ転売騒動とハッピーセットの設計について掘り下げていきます。
ハッピーセットは転売ヤーのためなのか
「ハッピーセット、子ども向けのはずが…?」
ポケモンカード付きのハッピーセットが発売されると、Xではこんな声が多く見られました。
確かに今回のポケカ企画、発売初日から在庫切れが相次ぎ、
「早朝に並んだ大人に買い占められた」
「子どもが買えなくて泣いてる」
といった投稿が続出。
中でも目立ったのが、「メルカリに即出品されてる」という転売の実態。
価格も定価の5倍以上で出回るなど、ファンの怒りをさらに煽る結果となりました。
このような背景もあり、Xでは企業の対応に疑問を持つ声も増えていきました。
今回のマクドナルドのハッピーセットポケモンカードの大量購入、大行列の理由が大半が中国人の転売ヤーが関係していて今の日本マクドナルドの社長は中国人らしいです!
もうバーガー食べるならマックより美味しいバーキンかモスにします!🫠 pic.twitter.com/BWcaPVHGrf— 😺😺😼! (@archvjjbv) August 10, 2025
実はこの「ハッピーセット×転売」の構図、今回が初めてではありません。
過去にも、ポケモンやプリキュア、すみっコぐらし、マリオなどの人気コラボが登場するたび、同様に一部で転売問題が発生してきました。
中でも「コレクター向け」と認識されやすいアイテムは、大人の購入が集中しやすく、その後の転売リスクが高くなる傾向があります。
一方で、マクドナルド側もまったく無策だったわけではありません。
購入個数制限を導入し、転売抑止に取り組んでいました。
ただ、それでもなお全体としては需要に供給が追いつかない状態が続き、
「そもそも販売方法を根本から見直すべきでは?」
という声が高まったのも事実です。
たとえば、
「予約制にすれば平等になるのでは?」
「アプリで抽選制にできないの?」
といった意見も多く、企業としての“販売のあり方”が問われている状況です。
本質的な課題──すなわち、
「人気商品の転売対策をどう設計すべきか」
「本来のターゲットにどう届けるか」
という部分にこそ、目を向ける必要があります。
今回のハッピーセット×ポケカ企画をきっかけに、日本マクドナルド社長の国籍や出身地がSNS上で注目を集めました。
一部では「中国人」という誤解も広まりましたが、実際にはトーマス・コウは香港出身・オーストラリア育ちであり、「中国人」と断定する表現は事実と異なります。
また、「ポケカ転売は社長の影響?」といった声も一部で見られましたが、これも根拠のない噂にすぎません。
重要なのは、感情論や印象ではなく、正確な情報に基づいて判断することです。
ポケモンカード転売のような問題こそ、企業とユーザーが共に冷静に向き合うべき課題。
“誰かのせい”にするよりも、“どうしたら改善できるのか”を考えることが、今の時代に求められています。
そして、SNSの噂に惑わされず、正しい情報を見極める目を持つことが、私たち自身にも求められているのではないでしょうか。