東京ドームに響いた、鋭い音とどよめき——。
またもや注目を集めたのは、読売ジャイアンツ・高梨雄平投手による阪神戦での死球騒動でした。
中野拓夢選手へのデッドボールで球場が騒然とするなか、SNSでは「また高梨か」「狙ってるのか」といった声が飛び交い、ファンの間で怒りや疑念が広がっています。
しかも今回は、前日に発生した岡本和真の離脱も絡んで、単なる“ミス”とは思えない空気に…。
偶然の一致か、それとも繰り返しの必然か。
これまでの経緯を辿ると、高梨の投球スタイルや過去の死球履歴に、見過ごせない“傾向”も見えてきます。
なぜここまで炎上するのか?
そして、本当に「死球が多い投手」なのか?
その答えは、この記事の中にあります。
高梨雄平が阪神戦の死球で再び炎上
5月7日の夜、東京ドームが一瞬でざわつきました。
読売ジャイアンツの高梨雄平が、阪神・中野拓夢の背中にデッドボール。
場面は7回1死二塁。
ピンと張りつめた緊張感の中、あの一球が炸裂しました。
当たった瞬間、ドームに響いたのは乾いた音とファンの怒号。
阪神ファンの一部は立ち上がり、ざわめきの中には「また高梨か…」という声も。
中野は苦しげな表情を見せながらも出場を続けましたが、試合後の「しゃべれません。ちょっとマジできつい」のコメントが、衝撃の大きさを物語っていました。
この一球がこれほど騒がれるのには、もちろん“理由”があります。
というのも、高梨のデッドボールが阪神戦でたびたび起きているからなんです。
2023年には近本光司に死球を当て、右肋骨骨折の大ケガに。
2025年4月には前川右京にも背中に死球。
そして5月7日、中野でまた一人。
すべてが阪神戦ではないとはいえ、連続して起きているのは事実。
多くが阪神戦で起きている点が注目され、ファンの怒りが加速するのも無理はありません。
SNS上では「また阪神相手か」「わざとじゃないのか」といった投稿が瞬く間に拡散。
関連投稿は溢れ返っていました。
他球団から藤浪のこと言われてるけど高梨雄平の方が倍くらいのペースで死球与えてるのはもっと知られるべきですよ、本当に。
— とらばさみ (@tora_basami38) May 7, 2025
しかもタイミングが最悪でした。
実はこの前日、5月6日の試合で巨人の主砲・岡本和真が中野との衝突で左ひじを負傷。
長期離脱が確実視されている中での出来事だったのです。
「岡本をやられた報復か?」
そんな憶測すら飛び交う展開に、ファン心理がさらに揺さぶられました。
試合中には、巨人の阿部慎之助監督が阪神・藤川俊介監督に手を挙げて謝罪の意思表示。
しかし藤川監督は冷静に対応し、目立った反応は見せませんでした。
この“静かな対応”に対しても、阪神ファンからは
- 「もっと怒ってよ…」
- 「何で抗議しないの?」
といった不満の声が多く上がっていました。
そして忘れてはならないのが、2023年の“ないぴ”事件。
近本が骨折した直後に、高梨が「みんなないぴすぎ」とSNS投稿。
ナイスピッチングの略とはいえ、状況を無視した軽率な発言に、当時の阪神ファンは猛反発しました。
この投稿が数千の反応を呼び、「高梨=反省しない投手」というイメージを今も引きずっているんです。
2025年の今回も、ただのコントロールミスかもしれません。
でも、そこに過去の“印象”が重なってしまえば──ファンの怒りは、もはや理屈だけでは止められないのです。
岡本和真離脱の報復に見えてしまったタイミングの悪さ
「これって…まさか“報復”じゃないよね?」
そんな声がSNSで広がったのは、5月7日夜の東京ドームでした。
巨人の高梨雄平が、阪神・中野拓夢にデッドボールを当てた場面。
問題は、その「前日」に起きた出来事との“つながり”です。
5月6日、同じく東京ドームで行われた阪神戦。
この試合中に、巨人の4番打者・岡本和真が左ひじを負傷しました。
原因は、一塁守備中の中野との衝突。
おそらく送球処理やベースカバーの中でのプレーだったと見られています。
岡本は痛みを訴え途中交代。
試合後、阿部慎之助監督は「かなりの期間欠場することになるだろう」と明かしました。
岡本は今季、開幕から打率.320、ホームラン10本(リーグ3位タイ)という絶好調ぶり。
巨人の顔であり、侍JAPANの顔でもある選手の突然の離脱に、ファンは大きな衝撃を受けました。
そこに、あの死球です。
高梨が、よりによって中野に当ててしまった。
もちろん、意図的だったという証拠はどこにもありません。
ただ、このタイミングが悪すぎた。
あまりにも重なりすぎた。
- 「前日、4番がやられた」
- 「翌日、その相手に死球」
- 「しかも投げたのは、高梨」
この並びが、偶然とは思えないほどの一致を生んでしまったのです。
SNSでは、こうした感情が“言葉”になって溢れ出しました。
- 「中野にぶつけたのは偶然?」
- 「これは報復だろ」
- 「高梨って、また阪神に当ててるじゃん…」
もちろん、冷静なファンからは「単なる不運」「中野に罪はない」との声もあります。
けれど、こうした場面で理性より先に動くのが“感情”というもの。
一部のファンからは「やり返された」と受け取る声も上がり、感情のスイッチが入りやすい構図ができてしまったのは否定できません。
実際、高梨は過去にも死球が多く、2023年には阪神・近本光司に死球を当て右肋骨骨折。
その直後に投稿した「ないぴ」(ナイスピッチングの略)が大炎上し、ファンの不信感を招きました。
それ以来、高梨に対しては「またか」「狙ってるのか」といった警戒心が強まっていたのも事実です。
そして中野にとっては、前日の岡本との衝突、翌日の死球と“二日連続”で巨人側とのトラブルに関与する形に。
結果として、ファンのあいだでは「因縁」のような空気すら漂いました。
もちろん、これはあくまでタイミングの問題。
岡本和真は阪神ファンとして知られていますし、中野拓夢もしっかり避けたうえでの交錯だったので、どちらも野球というスポーツの中で起きた、偶然のアクシデントに過ぎないのでしょう。
けれど、SNSという拡声器がある時代。
事実と印象は、まるで別物のように広がっていきます。
ファンはただ、選手が大切で、勝ってほしくて、真剣に応援している。
だからこそ、こうした一つひとつの出来事に、強く反応してしまうんです。
大切なのは、選手や監督、そして球団が、誤解や不信感をどう解いていくか。
言葉にしなくても態度で示す——そんな“信じさせる力”が、今こそ求められているのではないでしょうか。
高梨雄平のデッドボールが多いのは本当?
「また当てた…」
「どうしてこうも続くのか」
阪神ファンを中心に、そんな声が止まりません。
実際、高梨雄平が関与した阪神戦で目立ったデッドボール騒動は、これで3件目。
2023年7月2日、近本光司に死球。結果は右肋骨骨折。
2025年4月5日、前川右京に背中直撃のデッドボール。
そして5月7日には、中野拓夢の背中を再び直撃。
3人とも、阪神にとって重要な選手。
そのたびにファンの怒号が飛び交い、試合が止まり、SNSが荒れました。
では、高梨の死球は本当に“多い”のでしょうか?
答えは、数字で見れば「YES」です。
高梨は通算で約250試合に登板し、デッドボールはおよそ25個。
10イニングあたり約1個のペースで死球を与えています。
この頻度は、リリーフ投手のNPB平均(0.2〜0.5個)を2〜5倍上回る水準。
かつて“死球が多い”と話題になった元阪神・藤浪晋太郎の10イニングあたり0.8個という記録をも上回っています。
つまり、“多い”という印象は、印象だけではなくデータでも裏付けられているのです。
では、なぜこんなに死球が多いのか?
そのカギは、高梨の投球フォームにあります。
高梨は左サイドハンド。
体をひねり、腕を横から振り出すようなフォームで、特に左打者の内角を突くスタイルです。
見た目にはキレのある球筋でも、リリースポイントが見えづらく、制球が少しズレれば打者の身体へ一直線。
このスタイルが、そもそも“死球リスクが高い構造”なのです。
実際、高梨は楽天時代(2017〜2019年)には5~6イニングに1回の頻度で死球を与えていたことも判明しています。
加えて、阪神戦でのケースがファンの記憶に残りやすい構図を作ってしまっています。
相手が近本、前川、中野ということもあり、「また阪神か」「またあの投手か」という印象が強くなってしまうのは自然な流れです。
特に今回は、5月6日に起きた巨人・岡本和真と中野拓夢の“一塁での衝突”による岡本の左ひじ負傷・長期離脱。
その翌日の中野への死球という流れが、ファンの感情をさらに刺激しました。
もちろん、高梨が“わざと”当てている証拠はどこにもありませんし、多くの野球ファンは「さすがにそれはない」と思っているはずです。
ただ、繰り返される出来事に「またか」と感じるファンの感情は、否定できないものがありることはたしかです。。
ただ、高梨雄平は、事実としてNPBでも上位レベルで死球が多い投手。
特定の相手が続くことで、より強い印象を与えているのも事実です。
その現実とどう向き合うか。
今後、フォームの見直しや制球力の改善に加え、ファンの信頼を回復する“振る舞い”も求められるでしょう。