ジャングリア沖縄の評判が悪い理由
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2025年7月25日にオープンした「ジャングリア沖縄」。
やんばるの自然を舞台にした、新しい形のテーマパークとして話題になりました。
運営を手がけるのは、USJの再建でも知られる森岡毅氏が率いる株式会社刀。
“第二のUSJになるのでは?”とまで期待されていた施設です。
ところが、開業直後からSNSや口コミでは否定的な声が目立っています。
Googleマップの評価も★2〜3台を行ったり来たり。
なぜ、あれだけ注目されたジャングリアが、ここまで評判を落としてしまったのでしょうか?
その理由は主に3つあります。
1つ目:オープン初日の運営が混乱した状態だった
特に初日と2日目は、来場者の不満が噴出しました。
- 公式アプリが正常に動作せず、整理券の取得やマップ表示ができない
- 各アトラクションで長蛇の列が発生し、進行も遅れ気味
- 待ち時間が想定以上に長く、プレミアムパス購入者でもスムーズに体験できなかった
琉球新報のアンケートによると、初日と2日目に来場した50人のうち74%が「2つ以下のアトラクションしか体験できなかった」と回答。
せっかく楽しみにしていた人たちからは、「並んで終わった」「高いパス買ったのに…」といった期待外れだったとの声が多く見られました。
「オープン初日ならある程度は仕方ない」という意見もありますが、数万人規模の施設としてはかなり厳しいスタートだったと言えそうです。
2つ目:悪天候に見舞われ、多くのアトラクションが停止
オープン後すぐに、沖縄は雷雨などの悪天候に見舞われました。
ジャングリアは屋外型のアトラクションが多いため、天候の影響を大きく受けます。
結果として、「ホライゾンバルーン」「スカイフェニックス」など人気アトラクションが一時停止。
また、「雨宿りする場所が少なくて大変だった」「避難場所が不足していたとの声も」など、雨天対応への不満も多く見られました。
沖縄特有のスコールや台風を想定した設計がまだ十分ではないと感じた人も少なくなかったようです。
3つ目:アクセスの悪さがハードルに
那覇空港から車で約1時間半〜2時間。
この距離感だけでもなかなか遠いと感じる人が多い中、さらに渋滞の影響も大きくなっています。
加えて、駐車場の混雑や予約の難しさも利用者の不満につながっています。
Xでは
「着くまでに疲れた」
「駐車場の案内が分かりにくくて30分迷った」
といったリアルな声が多数投稿されています。
特に子連れや高齢者には、このアクセス面の負担はかなり大きいようです。
このように、初期の運営トラブル・天候による弱点・アクセスの悪さという3つの要素が重なり、ジャングリア沖縄の評価は開業直後から厳しい状況に。
「700億円を投じた期待の新パークだったが、初動はかなり苦戦している」
というのが現時点での冷静な評価でしょう。
ただし、だからといって「もう失敗確定」と言い切るのは早計かもしれません。
では実際のところ、ジャングリアは失敗だったのか?
次のセクションでは、その可能性を掘り下げていきます。
ジャングリアは失敗なのか
「ここまで評判悪かったら、もう失敗じゃないの?」
Xでは、そんな声もちらほら見かけます。
実際、琉球新報の調査では満足度は5段階中2、日本経済新聞では3.3という結果も出ており、決して高いとは言えません。
加えて、運営トラブルや悪天候によるアトラクションの一時停止、アクセスの悪さなど、悪条件が重なったのも事実です。
けれど、それだけで“失敗”と決めつけるのは、少し早すぎるかもしれません。
「開業直後は叩かれやすい」という業界の事情
テーマパークに限らず、大型施設のオープン直後というのは、運営が不安定になりやすいものです。
実例としてよく挙げられるのが、2001年開業のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)。
当時は、火薬の使いすぎによる行政指導や、飲料水に工業用水を誤接続するトラブルなど、想定外の事態が相次ぎました。
さらに、来場者からは
「期待外れだった」
「もう二度と行かない」
と酷評の嵐。
年間パスを8ヶ月分6,000円で売るほど、開業当初の集客に苦しんだのです。
また、2017年にオープンしたレゴランド・ジャパンも、当初は
「入場料が高すぎる」
「アトラクションが物足りない」
「立地が不便」
といったネガティブな意見が目立ちました。
ですが、そこから価格の見直しやファミリー層への特化、新アトラクションの導入によって、徐々に支持を集めています。
ジャングリアも立て直しのチャンスは十分にある
ジャングリアの運営を手がけるのは、森岡毅氏がCEOを務める株式会社刀。
USJやネスタリゾート神戸、西武園ゆうえんちなど、いくつもの再生プロジェクトを成功させてきた実績があります。
つまり、「今はまだ課題が山積みでも、改善の余地が大いにある」ということです。
素材としてのポテンシャルは高い
ジャングリアの特徴は、「Power Vacance!!」というテーマのもと、沖縄のやんばるの自然に没入できる体験を提供している点です。
絶景が広がるホライゾンバルーン、世界最大級のインフィニティ風呂を備えたスパ施設など、他のテーマパークでは味わえない独自の魅力があります。
ただ一方で、「恐竜ばっかりで沖縄感がない」「海の要素が少ない」など、コンセプトが伝わりきっていない可能性があるという指摘もあります。
ここをどう再調整していくかが、次の鍵になるでしょう。
Xでは共感の声も出始めている
すべてが悪い評価というわけではありません。
Xでは、実際に訪れた人たちは、こんな投稿をしています。
前向きな評価も見られるようになっています。
これらの“ポジティブな体験談”を、どれだけうまく広げていけるかが、これからのカギになりそうです。
ということで、結論。
ジャングリア沖縄は、今の時点で「完全な失敗」と決めつけるのは時期尚早です。
もちろん課題は多いですが、運営力や施設のポテンシャル、そして成功事例を積み重ねてきたチームの存在を考えれば、再起の可能性は大いにあると言えるでしょう。
次のセクションでは、実際の口コミと過去事例をもとに、ジャングリアがどう立て直せるのかを掘り下げていきます。
口コミと再起の可能性を分析
ジャングリア沖縄が開業してからわずか数日。
すでにSNSや口コミサイトでは、さまざまな声が飛び交っています。
Xでは、
「スタッフは頑張ってたけど全体の動線が悪い」
「絶景バルーンは感動モノ。でも1回乗るのに2時間待ちはキツい」
などの声が多く見られ、共感のリアクションも多数ついています。
一方で、「『未来の廃墟』と揶揄する声もある」など、かなり厳しい意見も目立っています。
とはいえ、「これはもうダメだな」と切り捨てるには早すぎる。
むしろ、再起のきっかけはすでにいくつも見え始めています。
ポジティブな口コミも増加中
ネガティブな投稿の裏で、こんな声も確実に広がっています。
「天気さえ良ければ最高だった」
「スパで雨をしのげた。あれは神だった」
「スタッフさんがめちゃくちゃ親切だった」
これらは決して“お情け評価”ではありません。
実際に足を運んだ人たちのリアルな体験から生まれたポジティブな感想です。
そしてこのような投稿には、「同じこと思った!」という共感の声も続々。
つまり、“改善すれば化ける”というポテンシャルに、すでに気づいている人は少なくないのです。
運営側も動き出している
ジャングリア側は、今後の改善に向けてすでに複数の施策を検討中と報じられています。
たとえば、
- シャトルバスの増便
- アプリの安定化
- 駐車場予約の見直し
- 悪天候時の動線や避難スペースの拡充
などが挙げられます。
また、公式Xでも運営状況やアトラクションの稼働情報を積極的に発信し始めていることから、ユーザーとの距離を縮めようとする姿勢も見えてきました。
こうした対応が迅速に進めば、信頼回復への第一歩となるはずです。
カギを握るのは「体験価値の再設計」
やんばるの自然やインフィニティ風呂、バルーンなど、ジャングリアには唯一無二の素材が揃っています。
だからこそ、伝え方と体験の作り方次第で評価は大きく変わっていくはずです。
たとえば、「スパ+ワークショップ」や「雨の日限定の恐竜ショー」などのアイデアが考えられます。
雨が降っても「むしろラッキーだった」と思えるような仕掛けがあれば、ユーザーの満足度もぐっと上がります。
「行って損した」ではなく、「行ってよかった。次は晴れの日にもう一回行こうかな」
と思ってもらえるかどうかが、今後の分かれ道になります。
参考になるのは、やっぱりUSJとレゴランド
開業当初に大きなバッシングを受けながらも、時間をかけ、戦略的に立て直したUSJやレゴランドの事例は、まさに希望の光。
USJはエリアの拡張とマーケティングの刷新で、レゴランドはファミリー層への特化で、見事にリブランディングに成功しました。
そしてどちらにも共通していたのが、ユーザーの「楽しかった」体験をどう生み出すかという一点に集中していたこと。
まとめ
評判が悪い理由は明確です。
初期の運営トラブル、悪天候への弱さ、アクセス面の課題。
そして何より、“期待と現実のギャップ”。
では、それが即「失敗」なのか?
そうとは限りません。
むしろ、来場者の体験が「良かった」に変わり、運営の努力と相乗効果を生むことで、流れは一気に変わります。
すでにその兆しはSNSにも口コミにも、静かに広がり始めているのです。