貸出用ベビーカーが、おたる水族館で立て続けに借りパクされる。
そんなニュースが世間を賑わせていました。
引用:おたる水族館
SNSではさまざまな憶測が飛び交い、まるで犯人探しゲームのような様相に。
しかもこの事件、ネットでは「外国人が盗んだのでは?」という声も多くありました。
- 日本人なら絶対やらない?
- そもそも証拠は?
- 外国人のせいと言う根拠は?
この記事では、事件の詳細とともに
「なぜ犯人外国人説が浮上したのか」
その背景と、私たちが見落としがちな視点を深掘りしていきます。
真相は意外なところにあるかもしれません。
目次
ベビーカー消えた謎に「外国人説」が急浮上
おたる水族館で、2025年2月と3月に起きた不可解な出来事。
無料で貸し出されていたベビーカーが、なんと2台も忽然と姿を消しました。
しかも、そのうちの1台は約7万円もする高級モデル。
ただの忘れ物や勘違いでは片付けられない、ちょっとした事件です。
ニュースやSNSでは、すぐさま「犯人は外国人では?」という声が広がりました。
それにしても、なぜそこまで“外国人説”が注目を集めるのでしょうか。
無料で借りられるという、日本らしい優しさ。
でも、それが裏目に出てしまった可能性も否めません。
そもそも
「無料=持って帰っていい」
と思ってしまう人がいるのかも?
そんな文化の違いから起きた可能性も考えられます。
この“借りパク”事件、表面的には単純に見えますが、
掘ってみると、なかなか興味深い構図が浮かび上がってきます。
なぜ「外国人」が疑われたのか。
そこには、状況や心理をたどることで見えてくるヒントがありました。
観光地・小樽は外国人が集まるホットスポット
小樽は、歴史ある街並みと美しい海の景色が魅力の観光地です。
その人気は国内外に広がり、年間で数十万人もの観光客が訪れます。
中でも「おたる水族館」は、家族連れにとって外せないスポット。
休日ともなれば、子ども連れの外国人観光客の姿をよく見かけます。
この状況から見えてくるのが、「一見さん」が多いエリア特有の空気感。
観光地って、どうしてもルール意識が緩くなりやすいんです。
たとえば地元の人なら、「また来るし、変なことしたらバレるかも」と考えるもの。
でも、観光客にはそうした“地元との繋がり”や“後ろめたさ”がほとんどありません。
言い換えれば、少しの油断や軽い気持ちが生まれやすいということ。
この“無責任になりがち”という観光地の特性こそが、外国人が疑われる理由の一つです。
誰かを悪者にしたいわけじゃない。
でも、環境がそうさせることもある――
そう考えると、少し見え方が変わってきますよね。
海外との価値観のズレが招くトラブル
日本では、
「無料=丁寧に使う」
という感覚があります。
たとえ口に出さなくても、『皆で使うものだから丁寧に使いましょう』という共通認識が自然と根づいていますよね。
でも、世界の常識は一枚岩ではありません。
海外では、
「無料=雑に扱う」
と考える文化も実際にあるんです。
そういう価値観だと、貸出時に身分証の提示もなく、返却の義務を明記した案内も曖昧だった場合。
「返す必要がないもの」として、そのまま借りパクする可能性すらあるんです。
これは悪意というより、単なる“文化のズレ”。
だけど、それがトラブルを生む原因になるからこそ、ややこしい問題です。
こうして考えると、無料という言葉が持つ意味って、国や地域でずいぶん違うんだなと実感しますよね。
文化のギャップは、思わぬ落とし穴を作る。
そのことに、改めて気づかされる出来事でもあります。
観光客ならではの「やり得」心理
そして「観光客ならではのやり得心理」です。
7万円もするベビーカーを盗んで、車に積み込み、持ち帰って利用する。
移民系の外国人がこのケースに当たります。
「おいおい、それって外国人差別だろう?」
「日本人だって観光客なら同じじゃないか!」
ご指摘、おっしゃるとおりです。
しかし、日本人と外国人では『貸出用』という文字への抵抗感が異なります。
もちろん、そもそもの価値観のベースとして、日本人は貸出用のモノを持ち帰るという考えがないため、外国人が犯人ではないかと疑われているようです。
あるいは、空港で飛行機に乗るまで利用するパターンですね。
短期滞在の旅行者だからこそ割り切れてしまう。
そんな気軽さが、悪意ある行動のハードルを下げてしまうのかもしれません。
さらにそんな外国人同士で、「日本は監視が甘い」なんて話をしていたらどうでしょう。
“今がチャンス”とばかりに動いてしまう人がいても、不思議じゃありません。
地元民の場合、「また来る場所で悪目立ちするのは怖い」と思うものです。
顔を覚えられている可能性もあるし、地域とのつながりもありますからね。
でも、観光客にはそういった心理的ブレーキがありません。
旅は一度きり。
この瞬間限りの『一期一会』の場所。
その感覚が、悪用のスイッチになってしまうのかも。
せっかくの善意を、そんな形で利用されてしまうのは残念ですが、インバウンド需要や移民政策を広げるということは、つまり、そういうことなのです。
SNSがざわつく:「日本人ならやらねえ!」の声
SNSをのぞいてみると、こんな声が目に入ってきます。
- 「外国人観光客増えすぎて治安悪くなったよね」
- 「日本人なら、こんな恥ずかしいことやらねえって」
確かに、そう思いたくなる気持ちも分かります。
ただ、この反応にはちょっと感情的なバイアスも見え隠れしています。
日本人って「性善説」に対する誇りを持っている人が多いですからね。
- 「私たちはルールを守る国民だ」
- 「日本人なら絶対やらない」
でも、その気持ちが時に外国人への疑いを強めてしまうんです。
「自分たちは違う」という意識が、「あいつらが怪しい」に繋がってしまうこともあるかもしれません。
そこに思い込みが混ざってしまうと、本質が見えにくくなることも。
ただ、私が考えるに、この問題の本質は『過剰なインバウンドや移民政策に辟易している日本人が増えている』というところではないでしょうか?
外国人観光客が少なかった頃は、そもそもこのような問題も起きにくい。
しかし、日本に住む外国人や海外からの観光客が増えることで、彼らの気も大きくなって遠慮がなくなってきます。
私はそこが一番の問題だと感じています。
日本は性善説が通用しなくなる国へ
おたる水族館のベビーカー持ち去り事件を見ていると、ふと考えてしまいます。
「もしかして、日本ってもう性善説が通用しない国になりつつあるのかも」
以前は、「みんなルールを守るもの」という信頼が、社会の前提でした。
- 落とした財布が戻ってくる
- 傘が盗まれない
- 財布を落としても交番へ
- 玄関に鍵をかけなくてもいい
そんな“信じる文化”が、確かにありました。
ある外国人YouTuberが日本で財布を落とすドッキリをし、全員がその外国人に財布を拾ってあげた動画が大バズリするくらい、日本というのは性善説に満ちています。
でも今はどうでしょう。
無料貸し出しのベビーカーが、立て続けに持ち去られる現実。
これは、善意を踏みにじる人が増えた証でもあります。
あるいは、そういう価値観の外国人が増えたという見方もできます。
となると、従来の無料サービスをそのまま続けるのは、もう難しい時代かもしれません。
- 身分証の提示
- デポジット制度
- GPSの設置
- 防犯カメラの強化
性善説ではなく、性悪説を前提とした「現実的な対策」。
日本も、そこに舵を切らざるを得ない局面に来ているように思います。
信頼で成り立っていた国が、少しずつ変わっていく。
そんな時代の空気を感じるからこそ、ちょっと切ない気持ちにもなりますよね。