2025年3月、東京ドームが大歓声に包まれました。
MLBの強豪ロサンゼルス・ドジャースとシカゴ・カブスが、日本の読売ジャイアンツ、阪神タイガースと激突したエキシビジョンゲーム。
そこで飛び出したのは、まさに「異次元の一発」でした。
- 大谷翔平選手がNPB球で豪快な2ランホームラン(巨人戦・15日)
- 阪神の佐藤輝明選手もMLB球で特大の3ラン(ドジャース戦・16日)
ドームに響き渡る打球音、スタンドへ吸い込まれる白球――観客はその瞬間、ホームランの魅力を再確認したはずです。
しかし、ここで疑問が生まれます。
「飛ばない」と言われるNPB球で大谷がホームランを打ち、MLB球で佐藤が飛距離を伸ばしたという事実。
この違いは何を意味するのか?
なぜ日本のプロ野球は、飛ばないボールを使い続けるのか?
もしNPBが「飛ぶボール」を採用したら、日本のプロ野球選手はもっとホームランを打てるのか?
2025年も続く飛ばないボール問題、その裏事情と真相を探ります!
MLB
・ボール飛ぶ
・データが充実
・審判評価がある
・映像が充実
・SNS活用が上手いNPB
・ボール飛ばない
・データカス
・審判守る
・映像普通
・SNS制限始める
・なのにSNS活用はしないNPBクソすぎて泣きそう
— るい (@tigerskop10) March 15, 2025
目次
NPBの飛ばないボール問題とは?
野球ファンなら一度は耳にしたことがあるはずです。
「NPBのボールは飛ばない」
という話。
※NPB(Nippon Professional Baseball):日本プロ野球の略称で、日本のプロ野球リーグを指す。
実際に、日本のプロ野球で使われるボールは、MLBの公式球よりも飛距離が出にくい設計になっています。
これがホームラン数や試合の展開に大きな影響を与えているのです。
「いやいや、プロの選手ならボールの違いくらい関係ないでしょ?」
と思うかもしれません。
でも、それが意外と大きな差になってくるんです!
NPB球とMLB球の決定的な違い
NPBとMLBのボールには、以下のような「見えない差」があります。
① 反発係数(ボールの弾みやすさ)
ボールがどれだけ弾むかを表す「反発係数」という数値があります。
この数値が高いほど、バットに当たったときの勢いが増し、ボールが遠くへ飛びやすくなり
ます。
ボール | 反発係数(COR) | 特徴 |
---|---|---|
NPB球(ミズノ) | 0.413~0.437 | 硬くて飛ばない |
MLB球(ローリングス) | 0.530~0.570 | 柔らかくて飛ぶ |
数字だけを見ると「ちょっとの違いじゃん?」と思うかもしれません。
しかし、実際の試合ではこの違いが5~10メートルの飛距離の差を生みます。
たとえば、NPB球でフェンスギリギリのフライだった打球が、MLB球だったらホームランになっていた…なんてことがザラにあるわけです。
(これで甲子園のラッキーゾーン問題も解決や!)
② ボールの硬さと縫い目の違い
MLBのボールは少し柔らかめで、縫い目が低め。
そのため、打ったときに「スピンがかかりやすい」特徴があります。
スピンがかかるとどうなるか?
打球の伸びが良くなり、ホームランになりやすいんです。
一方、NPBのボールは硬くて、縫い目が高め。
そのため、打球が伸びにくく、「途中で失速しやすい」という傾向があります。
③ 気温・湿度の影響
これは意外かもしれませんが、ボールは湿度や気温の影響を受けます。
NPBの試合は梅雨の時期や湿度の高い夏場に多く行われるため、ボールが水分を含みやすい環境にあります。
これも、MLBより飛距離が出にくい要因の一つです。
一方、MLBは気候が乾燥している球場が多く、打球の飛びが良い球場が多いのです。
エキシビジョンゲームで実証された「ボールの違い」
2025年3月15日・16日、東京ドームで行われた阪神タイガース&読売ジャイアンツ vs. ドジャース&カブスのエキシビジョンゲーム。
この試合では、守備側のチームによって使用するボールが変わるという、ちょっと特殊なルールが採用されました。
具体的には、
✅ NPBチーム(阪神・巨人)が守備の時
→ NPBのミズノ製ボール(反発係数0.413〜0.437)
✅ MLBチーム(ドジャース・カブス)が守備の時
→ MLBのローリングス製ボール(反発係数0.530〜0.570)
MLB球の方が反発力が高く、飛距離が出やすいのが特徴。
その違いが、ホームランの飛距離や試合展開にも影響を与えました。
- 大谷翔平選手はNPB球でホームランを放ち、「飛ばない」と言われるボールでも関係なくスタンドイン!
- 佐藤輝明選手はMLB球で3ランを打ち、普段よりも飛距離が伸びた!
この事実を考えると、
「ボールが違えば、もっとホームランが増えるのでは?」
と思うのも当然ですよね。
SNSやX上の意見を見ても、ボールの違いに注目した声が多数。
- 「佐藤輝明のホームランがMLB球で飛びすぎてすごい!」
- 「大谷翔平がNPB球でも打てるのは、やっぱり格が違う」
- 「ボールの違いで飛距離が変わるのが面白い!」
- 「NPB球だと打者不利すぎるのでは?」
- 「両方のボール使うなんて、ややこしくない?」
ピッチャーが開幕前に感覚の違うボールなげないためと考えたら当たり前なんだけど、NPBは飛ばないボールで守って飛ぶボールで打てるという字面だけ見たらガチでただの不正でおもろい
— PTB (@PsyduckKoduck) March 15, 2025
では、NPBはなぜこんな「飛ばないボール」を使い続けているのでしょうか?
次の章で、その理由と裏事情に迫ります!
NPBがホームランを減らす理由と裏事情
NPBが飛ばないボールを使う理由は、単なる「ファンの好み」だけではありません。
むしろ、球団経営や試合運営の都合が大きく関係しているのです。
実は、ホームランが増えすぎると、NPBにとって困ることがたくさんあるんですよね。
① 投手の負担を減らすため
ホームランが増えれば、その分、投手が打たれるリスクも高まります。
特にリリーフ投手は、飛ぶボールだと打ち込まれる機会が増え、消耗が激しくなります。
でも、飛ばないボールなら?
- 投手は長いイニングを投げやすくなる
- リリーフ陣の消耗を抑えられる
- 球団は無理に補強をしなくて済む
つまり、
「ピッチャーの負担軽減=球団のコスト削減」
というわけです。
実際、NPBの球団の多くは、投手の酷使問題を避けるために、飛ばないボールを歓迎していると言われています。
② 試合時間を短縮するため
打撃戦になると、試合時間が長くなりがちです。
- 「9回までに決着がつかない…」
- 「ダラダラと続く試合…」
そんな状況が増えます。
でも、NPBはテレビ放送の関係もあり、基本的に3時間以内に試合を終わらせたいという意向があります。
- 飛ばないボールなら、三振や凡打が増えて試合がスムーズに進む
- 試合時間が短くなれば、球場の運営費やスタッフの人件費も抑えられる
つまり、飛ばないボールは「球団にとっても、放送局にとっても都合がいい」という側面があるのです。
もちろん、これは選手のためでもあるので、一概にそうとは言い切れないところがあるのも事実です。
③ 「日本らしい野球」を守るため
NPBは、MLBのようなパワーベースの野球とは違い、「スモールベースボール」と呼ばれる戦略的な野球スタイルを重視しています。
- バント
- 送りバント
- 走塁を活かした攻撃
こうした細かいプレーこそ、日本のプロ野球の魅力とされてきました。
もしMLB並みにホームランが増えると…?
「1発で試合が決まる」場面が増え、スモールベースボールの要素が薄れてしまうのです。
「ホームランばかりの野球は、日本らしくない」という考え方が、飛ばないボールを維持する理由の一つになっています。
④本当に「ファンのため」なのか?
NPBは「接戦の方が面白い」という理由で飛ばないボールを推していますが、実際にファンはどう思っているのでしょうか?
SNSでは、「もっとホームランが見たい!」という声も少なくありません。
「飛ばないボール=NPBの都合がいいから続けているだけ?」
という疑念も出てきますよね。
次の章では、飛ぶボールの恩恵を受けた大谷翔平選手の活躍を通して、NPBとMLBの違いをさらに掘り下げていきます!
※スモールベースボール:長打に頼らず、バントや機動力を駆使して得点を狙う戦略的な野球スタイル。日本や韓国の野球でよく見られる。
大谷翔平がホームラン王になれた理由
2024年、大谷翔平選手がMLBで放った54本のホームラン。
まさに日本中が熱狂した記録ですが、これはただの「すごい記録」ではありません。
日本人選手として、そして二刀流のスーパースターとして、彼が世界の頂点に立った証とも言える一発一発でした。
しかし、なぜ彼はここまでホームランを量産できたのでしょうか?
ただ「飛ぶボールを使っていたから」という単純な話ではありません。
その裏には、環境の違い、ボールの特性、そして何より大谷自身の驚異的な能力がありました。
まず、MLBの公式球はNPBのボールよりも飛びやすい設計になっています。
「ボールなんて同じじゃないの?」と思うかもしれませんが、実はその違いは5~10メートルの飛距離差を生むほど。
フェンス際で失速するか、スタンドまで届くか——
このわずかな違いが、年間のホームラン数に大きな影響を与えます。
さらに、MLBの球場は日本よりもホームランが出やすい環境です。
ヤンキースタジアムのライトは99mしかなく、東京ドーム(100m)より狭い。
「あとちょっとで届かなかった…」という打球が、日本よりもずっとホームランになりやすいのです。
実際、MLBでは「どの球場でプレーするか」で成績が大きく変わると言われるほど、球場の違いが打者に影響を与えます。
とはいえ、大谷のパワーは本物
しかし、それでも大谷翔平のホームランは「環境に助けられた結果」ではありません。
彼の打球速度は平均110マイル(約177km/h)以上。
「飛ぶボールのおかげ」ではなく、飛ばないボールでも関係なくスタンドに叩き込めるだけのパワーを持っているのです。
彼のスイングには、球場の広さも、風向きも、ボールの特性すらも関係ない。
とにかく、打った瞬間に「確信歩き」ができるほどの圧倒的な一撃。
それこそが、MLBの本塁打王・大谷翔平の真の姿です。
もし大谷がNPBに残っていたら?
もし仮に大谷が日本ハムファイターズのままだったらどうでしょうか?
間違いなくホームラン数は減っていたでしょう。
しかし、それでも「日本では見たことがない規格外のスラッガー」であることに変わりはなかったはずです。
飛ぶボール、狭い球場、そんな条件の違いを超えて、彼のバットは常に「世界基準」でした。
大谷翔平、2ランホームラン🔥
凱旋ホームラン!
変化球を打ち、ライト中段まで運ぶ『ここぞという場面で打つ男』
①四球
②本塁打🎥@MLB #大谷翔平 #ドジャース
pic.twitter.com/WSBysgNgHJ— 【SS】大谷速報&スポーツ速報 (@30R9gmaMUy3guDJ) March 15, 2025
巨人・戸郷投手もすごい選手ですし、NPB基準のボールでも関係ないですね。
だからこそ、彼は2024年、本塁打王になれたのです。
これはMLBでもトップクラスの数値であり、「飛ぶボール」の恩恵を受けなくても、ホームランを打てる力を持っています。
ある野球関係者が言ってたのですが、「野球を知っている人間ほど、大谷翔平は野球の常識を超えすぎててわけわからん存在」なのだそうです。
ということで、ここは余計な説明でしたね(笑)
佐藤輝明はMLB球ならもっと飛ばせる?
では、阪神タイガースの佐藤輝明選手がMLBに行ったらどうなるのか?
(ちなみに私は阪神ファンなので、贔屓目なしで話しますが…できるだけ冷静に!)
結論から言うと、「MLB球ならもっと飛ばせる」のは確実です。
2025年3月16日に行われたエキシビジョンゲームで、それが証明されました。
佐藤選手はMLB球で113.7mのホームランを記録。
阪神 ドジャース相手に先制!!!
佐藤輝明 3ランホームラン!!!
サイ・ヤング賞投手 スネルからの先制 豪快アーチ!
🎦@SportsNetLA #サトテル #阪神タイガース pic.twitter.com/A0gHuLqA0o
— ALWAYS AKIRA (@sekai_yakyu_828) March 16, 2025
いつもと違うボールなのに、特に戸惑う様子もなく、あっさりスタンドまで運びました。
もしこの試合がNPB球だったら?
おそらく、あと5〜10mは飛距離が短くなっていた可能性が高いです。
「NPB球に抑えられていた男が、MLB球を手にしたらどうなるのか?」
そんな疑問が、阪神ファンだけでなく、野球ファン全体の間で広がっています。
X上でも、
- 「MLBなら30本以上余裕で打てるんじゃ?」
- 「MLB挑戦、ワンチャンある?」
と話題に。
確かに、佐藤選手のパワーとMLBのボールの相性を考えれば、その可能性は十分ありそうです。
…でも、阪神ファンとしてはやっぱり、ずっと阪神一筋でいてほしい!!!
「MLBでホームランを量産する佐藤輝明」も見たいけど、やっぱり甲子園での豪快な一発をこれからも楽しみにしていたいですね。
テル!!誰に言われたんや!? pic.twitter.com/6JErhGsF7a
— 糸井嘉男(Yoshio Itoi) (@itoi7yoshio) March 16, 2025
って、うぉい!笑
2025年も飛ばないボールが続く?
ここで気になるのは、
「2025年以降もNPBの飛ばないボールは続くのか?」
という点です。
現時点では、NPB側から「ボールの変更予定はない」と発表されています。
つまり、2025年も引き続き飛ばないボールが採用される可能性が高いということ。
じゃあ、NPBのホームランは増えない?
「え、じゃあこれからもホームランは増えないの?」
と思うかもしれませんが、そうとも限りません。
選手たちのパワーは年々向上しており、
-
村上宗隆 – 東京ヤクルトスワローズ
-
岡本和真 – 読売ジャイアンツ
-
山川穂高 – 福岡ソフトバンクホークス
-
柳田悠岐 – 福岡ソフトバンクホークス
-
細川成也 – 中日ドラゴンズ
といった長距離砲の存在感はますます強まっています。
たとえば、2024年のシーズンは村上選手が46本塁打を記録し、NPBのホームラン数自体も増加傾向にありました。
つまり、ボールが飛ばなくても、選手のパワー次第でホームランは増えていく可能性があるということです。
とはいえ、MLBのように1シーズンで50本、60本の本塁打を打つ選手が出てくるか?と言われると、それは難しいのが現実。
「ボールの飛びにくさ」が足かせになっているのは間違いないでしょう。
NPBが今後ボールを変える可能性はあるのか?
「NPBはボールを変えるのか?」
2024年は投高打低が特に顕著で、
- 「佐藤輝明や村上宗隆がもっと打てるはず」
- 「このままじゃスラッガーが育たない」
といった声が増えています。
興行的にもホームランの減少は痛手で、ファンの間では「そろそろボールを変えるべきでは?」という意見が目立ちます。
とはいえ、NPBがすぐに動くかというと、それは別問題。
最大のハードルは、2013年の「ボール操作スキャンダル」のトラウマです。
NPBは密かに反発係数を上げていたことが発覚し、大炎上。
その経験から、ボール変更には慎重にならざるを得ない状況が続いています。
さらに、飛ばないボールには試合時間の短縮や投手保護といったNPB側のメリットもあるため、運営としても簡単には変えたくないのが本音でしょう。
ただ、2024年後半には「飛ぶ新ボールが一部の試合で導入された」という噂もあり、投高打低を改善するための微調整が検討されている可能性もあります。
短期的な大きな変更は難しそうですが、ファンの声が強まれば、2026年あたりに徐々に反発係数を上げる形での調整が入るかもしれません。
果たして、NPBはこのまま「飛ばない野球」を続けるのか?
今後の動向に注目ですね!