ヒカルの動画を長く見てきた方なら、「遊楽舎」という名前を聞いただけで、あの店長との掛け合いが頭に浮かぶのではないでしょうか。

カード開封、毒舌トーク、たまに本気でケンカしてるんじゃないかってくらいの口喧嘩。

あの空間が、2026年2月末で消えることになりました

しかも閉店の引き金になったのが、同業者の「救いたい」と題した動画だというのですから、話がドラマみたいにドロドロでややこしいんですよね。

経営難、誹謗中傷、そして店長の心が限界を迎えるまでの経緯を、できるだけわかりやすくお伝えしていきます。

遊楽舎が2月末に閉店…ヒカルの聖地が消える理由

兵庫県姫路市の小さなカードショップが全国区の知名度を獲得し、やがて閉店に追い込まれるまでの流れには、YouTubeという魔法の箱のキラキラした光と、ドス黒い影がくっきりと映し出されています。

まずは遊楽舎がどんな存在だったのか、そしてなぜ今このタイミングで幕を閉じることになったのかを整理していきましょう。

遊楽舎というのは、姫路市花田町に本店を構えるトレーディングカードゲーム(いわゆるポケカや遊戯王を売り買いするお店)のショップで、大阪のドンキホーテ住之江公園店にも支店がありました。

YouTubeチャンネル「遊楽舎ちゃんねる」の登録者数は47万人超。

店長の森田さんがカメラの前で好き放題しゃべる、あのゆるくて熱い空気感が人気だったんですよね。

この店が全国に名前を轟かせたのは、言うまでもなくYouTuberヒカルとのコラボがきっかけでしょう。

2017年頃からヒカルが遊楽舎を動画に登場させるようになり、「大量カード購入」や「店長と本気の口喧嘩」みたいな企画が数百万再生を叩き出しました。

ヒカルにとって遊楽舎は「聖地」であり、店長は「兄貴分」という存在。

2022年には東京・秋葉原に「遊楽舎ヒカル店」を共同オープンするところまでいったのですから、その絆の深さは相当なものだったと言えるのではないでしょうか。

ただ、この秋葉原店がコロナ禍の直撃を受けてわずか数ヶ月で閉店してしまったあたりから、遊楽舎の経営には暗雲が立ち込めていました。

本店のある姫路は、正直に言えばカードショップの立地としてはかなり厳しいところがあります。

コロナ以降、来店客は減り、カードの買取価格は高騰して仕入れコストが膨らみ、オンラインショップという強力なライバルも台頭してきた。

赤字が慢性化し、2025年には支店の一部を閉めざるを得ない状況に追い込まれています。

それでも店長は諦めなかったんですよね。

「カードゲーマー以外にも楽しめる店にしたい」と、カプセルトイの導入を計画。

クラウドファンディングを2回実施し、合計約300万円を集めたのですが、これが炎上して裏目に出てしまいます。

「詐欺じゃないのか」「経営が無理なら早く畳め」という批判が殺到し、店長はXで返金対応に追われることになりました。

沈みかけた船で必死にバケツで水を汲み出しているところに、横から「その船もう無理だろ」と大声で拡声器で叫ばれたようなものでしょう。

 

そして2026年2月、とどめの一撃が飛んできます。

同業者による一本の動画。

これが店長の心を完全に折ることになるのですが、その内容がまた、なかなか強烈でした。

2月16日現在、店長のXでは閉店作業の進捗を淡々と報告中で、ファンからの励ましDMが続々と届いているようです。

トモハッピーとflatの動画が削除!遊楽舎への暴言内容まとめ

カード業界の大物たちが酒を飲みながら遊楽舎を語る。

一見すると「応援企画」に見えたその動画は、しかし蓋を開けてみれば、苦境にある店舗への集中砲火のような内容でした。

ここでは削除された動画の中身と、それが引き起こした連鎖反応を見ていきます。

2026年2月10日頃、flat-工房の社長・須藤晃平氏のチャンネルに一本の動画が上がりました。

タイトルは「【無双】遊楽舎を救いたい。【flat ×トモハッピー対談】」。

出演者はトモハッピーこと齋藤友晴氏です。

カードショップ「晴れる屋」の創業者で、YouTubeや「令和の虎」出演でも知られる、業界のビッグネーム。

「救いたい」というタイトルだけ見れば、応援動画に思えますよね。

ところが中身は、まるで違ったんです。

flatが「遊楽舎を買収しないか」と持ちかけると、トモハッピーは大笑いしながら「誰が沈む船買うねん!」「ぜってぇ買わない」と一刀両断。

店長が計画していたカプセルトイの導入についても、「立地が悪いからうまくいってないのに、立地に依存するビジネスをやろうとするのはどうかしてる」「今すぐやめろ」とバッサリ切り捨てました。

さらに店長の経営そのものを「ゴミ屑」「悪すぎる」と表現し、「V字回復したらいいなと思ってしゃべっているだけ」と切り捨てたのですから、正直これには驚かされました。

トモハッピーのゴミクズ発言

酒の席の勢いもあったのでしょう。

トモハッピー本人は後に「発破をかける意味であえてキツめに言った」「注目を浴びればいい」と弁明しています。

確かに、ビジネスの世界では厳しいフィードバックが成長につながることもあるかもしれません。

ただ、ここで見落としてはいけないポイントがあります。

これは密室の会議室で交わされた言葉ではなく、YouTubeという公開の場に載せられた動画だということなんですよね。

たとえるなら、友人の経営相談に乗るつもりで居酒屋で話していた内容を、そのままスピーカーで商店街に流したようなもの。

聞いている側の受け取り方は、当事者同士のそれとはまったく異なってきます。

案の定、動画は拡散されました。

トモハッピーのファン層、つまりビジネス感度の高い視聴者たちの間で共有され、遊楽舎の信頼は急速に傷ついていったのです。

店長のもとには「詐欺師」といった攻撃的なメッセージが次々と届くようになり、いわゆる「五月雨式の誹謗中傷」が止まらなくなりました。

火に油を注いだのが、ブレイキングダウンの最高責任者として知られる溝口勇児氏の発言でしょう。

溝口氏はXで店長に対して「他責思考すぎて同じ経営者として驚愕。経営なめんな」と投稿。

トモハッピーとの親交があるため、動画擁護の立場からの発言だったと見られますが、タイミングが最悪だったのではないでしょうか。

閉店を発表した直後の人間に向かって「お前の考え方が甘い」と言い放つのは、ネット上では「正論による追い打ち」と受け止められても仕方がありません。

ここで冷静に考えてみたいのですが、トモハッピーの指摘には的を射ている部分もあったんですよね。

姫路という立地の不利、カプセルトイという立地依存ビジネスへの転換リスク。

経営判断として疑問符がつく点は確かにあったでしょう。

しかし「何を言うか」と「どう言うか」は別の問題なんです。

正しいことを言っていれば何を言ってもいいのかというと、そうではないはず。

酒の勢いで笑いながら「ゴミ屑」と連呼する動画が公開されれば、それを見た視聴者が「じゃあ攻撃してもいいんだ」と感じてしまう構造は、容易に想像がつくのではないでしょうか。

 

動画は炎上後に削除されましたが、再アップロードやテキスト要約がネットに残り続けています。

一度インターネットに放たれた言葉は、もう回収できない。

この事実が、店長をさらに追い詰めていくことになります。

最新のネット反応では、トモハッピーの沈黙が「賢い選択」と一部で評価される一方、「謝罪しろ」の声がまだ根強い状況です。

店長の精神状態が心配…

批判動画、誹謗中傷、そして閉店。

畳みかけるように押し寄せた出来事の中で、店長の心は限界を迎えていました

ただ、その暗闇の中にも光はあります。

盟友ヒカルの動き、ファンの声、そして今後の可能性について見ていきましょう。

 

動画が公開された直後の2月11日から13日にかけて、店長のXの投稿は明らかにトーンが変わりました。

「昨夜はかなり精神が参っていた」「もう楽になりたい」といった悲痛な言葉が並び、生命保険の話や「さっさと楽になりたい」という、自らを追い詰めるような内容も投稿されていたのです。

ファンからは心配のDMが殺到し、ヒカル側も異変を察知したとのこと。

2月14日、店長はXで正式に閉店を発表しました

「遊楽舎は2026年2月末日をもって閉店いたします」という短い文面に、長年のファンは言葉を失ったことでしょう。

閉店理由として店長が強調したのは「経済的な破綻ではない」という点でした。

「信頼が崩壊した状態では、自分がやりたかったTCG以外も含めた複合型の事業が成り立たない」というのが、店長なりの説明だったんですよね。

つまり、お金が尽きたのではなく、心が折れたということ。

2026年に入って経営は持ち直しの傾向にあり、資金の目途も立っていたと店長本人が語っている以上、純粋な経営破綻とは性質が異なるのでしょう。

SNSでの攻撃が止まない中、「この状態で店を続けても、お客さんとの信頼関係を築けない」と判断したのだと思われます。

 

翌2月15日、ヒカルが動きました。

YouTubeで「遊楽舎閉店と店長の現状について」という動画を公開し、姫路の店舗を直接訪れて店長と話した内容を報告しています。

ヒカルは動画の中で、店長の様子を「本当に憔悴しきっている状態」「こんなに落ち込んでいるのは初めて見た」と表現していました。

マネージャーも思わず涙ぐんでいたというのですから、現場の空気がいかに重かったかが伝わってきます。

印象的だったのは、店長がヒカルに相談しなかった理由です。

「お金の話をしたら関係が壊れるんじゃないかと心配して、ヒカル以外の人に相談した。でもうまくいかなくて、ヒカルに相談していればこうならなかったんじゃないかって」。

この言葉には、多くの人が胸を打たれたのではないでしょうか。

本当に大切な相手だからこそ頼れない。

あの「友達だからこそ本気で相談しにくい」みたいな心理って、ビジネスじゃなくても日常でめちゃくちゃありますよね。

ヒカルはトモハッピーを直接名指しで批判することはせず、あくまで店長のケアを最優先にしていました。

動画の最後では「店長がコメント欄を見たときに幸せな気持ちになれるような言葉で埋めてください」と視聴者に呼びかけ、コメント欄は「店長、元気玉を受け取ってくれ」「あなたを求める声はこんなにも多い」という励ましの嵐

さて、気になるのは今後の話でしょう。

店長は「いったん休みたい」「家族と話し合いたい」と語っており、当面は閉店作業と休養に専念するとみられています。

在庫や什器、運営権については複数の買取希望者から連絡が入っているとのことで、物理的な後処理は進んでいる様子。

クラウドファンディングの返金対応も継続中で、弁護士への相談も始まっているようです。

トモハッピーやflatへの提訴を検討中という話もあり、この件はまだ完全に終わったわけではなさそうです。

ヒカルは動画の中で「負担なく才能を生かせる案がある」「周りで一緒にやりたいという人もいる」と、具体的な支援の意志を示していました。

過去に秋葉原店を共同で立ち上げた実績があるだけに、何らかの形での再タッグは十分にあり得るのではないでしょうか。

店長のカード知識とYouTube運営のノウハウは、場所や形態が変わっても価値を持つ資産のはずです。

 

もちろん、すべてはメンタルの回復が大前提になります。

どれだけカッコいいビジネスプランがあっても、心がポッキリ折れた状態じゃ、何も始まらないんですよね。

まずはゆっくり充電タイムを取ってほしいところです。

2月16日時点で、ヒカルの動画コメントはさらに増え続け、「店長復活プロジェクト」みたいなファン企画の話もちらほら出てきているとのこと。

こういうファンの熱量って、本当にすごいなと感じます。

この一件は、YouTuberの影響力と言葉の重さを改めて突きつける出来事だったのではないでしょうか。

「救いたい」という看板を掲げた動画が、結果的に一つの店舗を閉店に追い込み、一人の人間の心を深く傷つけてしまった。

トモハッピーに悪意があったかどうかは、正直なところ本人にしかわかりません。

ただ、意図がどうであれ、言葉は発した瞬間に独り歩きを始めるもの。

特にインターネットという増幅装置を通せば、その威力は何倍にもなるということを、改めて痛感させられます。

遊楽舎の看板が降ろされた後も、あの店長とヒカルの掛け合いを覚えている人はたくさんいるはずです。

「聖地」は建物の中ではなく、見てきた人たちの記憶の中にあるのかもしれません。

店長の次の一歩がどんな形になるのか、静かに、でもしっかりと見守っていきたいものです。