VTuber「赤井はあと」の深夜配信が話題になっています。
ホロライブ所属の彼女に、いったい何が起きたのでしょうか。
“炎上”という言葉だけでは語りきれない、さまざまな背景がそこにはありました。
活動歴の長い彼女ならではの葛藤や、本音がにじむ発言の数々。
その内側を、できるだけていねいに、わかりやすくたどっていきます。
10月29日の深夜。
ホロライブ所属のVTuber・赤井はあとが、突然の長時間配信を始めました。
最初はいつも通りの雑談かと思われましたが、徐々に声が震え、涙が混じり、空気が一変します。
「辞めたい」「もう無理」「信じていた人が怖い」
その言葉の一つひとつに、心の限界を迎えた人の苦しさがにじんでいました。
配信は夜明け前に突然終了。
アーカイブも非公開となり、X(旧Twitter)では「赤井はあと」「はあちゃま」が一気にトレンド入り。
「何があったの?」「誰か助けてあげて」――TLは心配と憶測で埋まりました。
実はこの出来事には、長年積み重なってきた“背景”がありました。
高校生のころから活動してきた彼女は、プラモデルの反射から素顔が映る“身バレ騒動”を経験しています。
そこから父親のVtuber活動まで特定され、SNSや学校、家族構成まで晒されてしまいました。
普通の生活。
それができなくなったのは、この時からだったのかもしれません。
さらに、初期の過激な配信内容や失言が切り抜かれ、“インターネットタトゥー”として今もネット上に残っています。
本人が削除を求めても応じてもらえず、リアルの友人関係にも影響が出たといわれています。
たとえば、昔の動画を知った同級生に距離を置かれた――そんな現実もあったようです。
その後、中国での炎上騒動(台湾発言問題)で卒業した桐生ココを支えるように、赤井はあとも同様の立場に立たされました。
自分も似た状況だったことから、彼女は「ココちゃんのためにも私は辞めない!」と宣言。
けれど、その“強がりの言葉”が、結果として自分を縛る鎖になってしまいました。
2021年には、メンタルヘルスの悪化で一時的に休養・入院。
薬の影響で体調を崩し、孤独を感じた日々を過ごしたといいます。
当時の配信で語られた「病院での出来事」は誇張も含まれていた可能性がありますが、彼女が追い詰められていたことだけは確かです。
復帰後は以前の勢いを取り戻せず、視聴者数やコラボ機会も減少。
数字の低下だけでなく、周囲との温度差も感じていたようです。
「運営に好かれていない」「グッズや公式企画に呼ばれない」――そんな発言も、ファンの間で話題になりました。
また、ホロライブ内の“派閥”や人間関係の圧力にも苦しんでいたと見られます。
一部の人気メンバー中心のグループに入れず、ユニバで孤立感を味わったという声もありました。
女性ばかりの職場で起きる見えない壁。
その距離感は、彼女にとってとても冷たく感じたのではないでしょうか。
そんな中で、心を支えていたのが「写真」という新しい趣味でした。
穏やかな風景を撮り、SNSに投稿することで心を落ち着けていたようです。
けれど、仕事として広げていくには限界があり、活動の自由を制限されているような感覚も抱いていたようです。
体調不良の噂も出る中、彼女は再びプレッシャーの中に立たされました。
運営に「辞めたい」と伝えたものの、説得されて保留に。
その結果、爆発的な心の吐露として今回の配信が行われたのです。
もしかしたら、あの配信は「終わり」ではなく「助けを求める最初の声」だったのかもしれません。
彼女の告白は、“ただの愚痴”ではありませんでした。
長く抱えてきたフラストレーションが、一気にあふれた瞬間だったのです。
活動初期から変わらずに求められてきた「派手でぶっ飛んだキャラ」。
しかし、年を重ねた彼女は“もうそのままではいられない”と感じていました。
結果として、自分の正直な感情と“演じる自分”とのギャップに苦しんだのです。
さらに、応援されることがプレッシャーになっていたという側面もあります。
「みんなが見ているから元気でいなきゃ」
「期待を裏切れない」
そんな思いが、いつの間にか彼女を縛っていたようです。
応援の声が増えるほど、彼女の口から出たのは「重い」「辛い」という言葉。
まさに支えと負担の狭間だったのではないでしょうか。
それだけではありません。
かつて華やかだった活動に比べて、目立つチャンスが減ってきた現実もありました。
「昔の自分が好き」と言われれば、それすら負担になってしまいます。
その違和感が、配信中の言葉に“怒り”と“悲しみ”を同時に宿らせることになったのでしょう。
そして、2021年にはメンタルヘルスの影響で一時休養。
体調を崩して療養した期間は、彼女にとって“静かな闘い”の時間でもありました。
その体験が、今回の配信の中で“壊れやすい部分”として顔を出したのです。
これらが重なって、今回の配信で“炎上”という形を取るに至りました。
言葉だけを切り取れば“暴露”にも見えますが、実際には“限界を超えた人の叫び”だったのです。
彼女にとって「辞めたい」の言葉は、単なるワガママではなく“助けて”の合図だったのかもしれません。
Xには、彼女を応援する声があがっています。
VTuberの世界って、一見するとキラキラして夢いっぱいに見えますよね。
でもそのウラで、ひとりぼっちのさみしさを抱えていたのが赤井はあとさんでした。
高校生ではあととしてデビューした当初は、まさに“ぶっ飛び系女子”。
虫を食べたり、二重人格で配信したり…その圧倒的な勢いで一気に話題をさらいました。
とはいえ、人はずっと同じキャラではいられません。
大人になるにつれて、「もうムリして明るくできない…」と思う瞬間、ありますよね。
はあとさんもまた、自分らしいスタイルに変えたいと感じはじめていたのです。
ところが、ファンが求めるのはいつまでも“あの頃のはあちゃま”。
そのズレが、彼女の中でどんどん苦しさへと変わっていきました。
そしてつらかったのは、外とのギャップだけではありません。
実はホロライブの中でも孤立感を抱えていたといわれています。
人気メンバーが集まるグループに入れなかったり、ユニバでひとりぽつんとしたような出来事もあったそうです。
その場にいても、どこか「仲間じゃない気がする」。
その感覚、なんとなくわかりますよね。
2021年にはメンタル不調で一時休養。
体調を崩し、心も体も限界に近づいていたといわれています。
「誰にも頼れない、でも助けてって言えない」――そんな孤独な時間を過ごしていたのかもしれません。
今回の問題となった配信は、そんな積み重ねの果てに起きた“心の爆発”でした。
「炎上だ」と言われたけれど、本当はただ本音を伝えたかっただけなのかもしれません。
今回の出来事は、夢のようなVTuberの世界にも、リアルな悩みがある――。
その現実を、あらためて私たちに教えてくれました。
画面の向こうにも、ちゃんと心がある。
そのことを、これからも忘れずにいたいですね。
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