総裁選直前に飛び出した“やらせコメント”問題、その報道に添えられていた『ビジネスエセ保守』という、あまり聞きなれない言葉。
あの不思議な言葉、どういう意味なんでしょうか。
いったい誰に対して言ったのか?
その裏にどんな思惑があったのか?
一見、政治用語のようでいて実は深い意味を持つこの言葉。
話題の“例文17番”に隠された意図や、ネットのざわつき、その奥にある対立構造まで、わかりやすく読み解いていきます。
ビジネスエセ保守の意味とは?
最近、ネットやテレビで耳にするようになった言葉――「ビジネスエセ保守」。
なんとなくインパクトはあるけど、「なにそれ?」って人も多いはずです。
このワードが注目されたのは、2025年9月25日発売の週刊文春で報じられた、小泉進次郎陣営の“やらせコメント”問題がきっかけ。
報道によれば、陣営が支持者向けに送ったメールには、24個の「応援コメント例文」が添付されていて、そのうちのひとつがこれ。
「ビジネスエセ保守に負けるな」
では、改めて「ビジネスエセ保守」とはどういう意味なのでしょうか?
報道内容と文脈を踏まえると、次のように解釈できます。
「保守を装いながら、選挙や支持集めのために表面的な保守的言動をする人」
要するに、「本当は信念があるわけじゃないけど、保守っぽいポーズを取った方が票になるからやってます」という人を揶揄した言葉です。
信念より利益、思想より人気。
まさにビジネスライクな保守。

これは「伝統文化や国家の安全保障を守る」といった価値観を、選挙関係なく貫く人たち。
たとえば移民政策に慎重だったり、靖国参拝を大事に考えたり。
そうした政策の根底に「国家観」や「歴史観」があるタイプです。
一方で「ビジネスエセ保守」は、そういう芯が見えづらい。
風向きに応じて「保守っぽいこと」を言ったり、逆に「リベラル寄りの政策」にもフラッと乗っかったり。
なんというか、どっちつかず。
ちなみにこの「エセ保守」という言葉、これまでにも政治の世界でちょこちょこ登場してきました。
たとえば、進次郎の父・小泉純一郎が進めた郵政民営化は「保守の伝統を壊す」と批判されたことがありました。
この家系、意外と“保守vs改革”の文脈で揺れる場面が多いんです。
話を戻すと、「ビジネスエセ保守」は2025年総裁選のまっただ中で、小泉陣営の例文の一部として登場。
つまり、完全に“小泉側から出てきたワード”なんですね。
報道やSNSでは、この表現を「選挙戦での保守批判」と受け取る人が多数。
定義が法律で定まってるわけではないけれど、文脈的には「偽物の保守はやめようぜ」というニュアンスで使われたのは明らかです。
Xではこんな投稿も話題に。
「本物の保守を名乗る人が、こんな言い回しする?」
「自己紹介ですかって言われてるの草」
「誰を指してるのか、わかりやすすぎて逆に怖い」
もう、総裁選のスローガンどころか、火薬庫の導火線みたいな扱いになってました。
次のパートでは、この「誰を指したのか?」――その核心に迫っていきます。
「名前は出してないけど…わかる人にはわかる」状態だった、この例文。
本当に“誰に向けた言葉”だったのでしょうか。
誰に向けた言葉なのか?
問題の例文――「ビジネスエセ保守に負けるな」。
これがいったい「誰に向けた言葉なのか?」という点に、多くの関心が集まりました。
小泉進次郎陣営は「特定の候補を念頭に置いたものではない」と説明しています。
しかし、受け取り方は人それぞれ。
X(旧Twitter)では、こんな声が相次ぎました。
「高市さんのことでは?」
実際、報道でもこの言葉が高市早苗氏への間接的な批判として受け取られたことが強調されています。
例文の並びを見ると、「保守政党 自民党の神髄」「仲間がいないと政策は進まないよ」など、一定の“流れ”があります。
これらを並べると、対比構造に見えるんですよね。
小泉氏は「仲間が多く、実直な保守」、対する“誰か”は「孤立していて、表面的な保守」――そんなふうに読めてしまう。
では、自民党内で「保守で過激」と思われがちな人物は誰か?
ここで多くの人が高市早苗氏を連想したようです。
小泉進次郎陣営が、牧島かれん事務所主導で、高市早苗氏を批判する「ビジネスエセ保守に負けるな」との文言を大量にネット書き込みしていた問題。
見苦しい話だが、意識的に虚偽を広めたというより、自民党議員の多くは実際、高市氏をそう見ているのだろう。 pic.twitter.com/79wdhB40TT— 島田洋一(Shimada Yoichi) (@ProfShimada) September 27, 2025
高市氏は、移民政策に慎重で、夫婦別姓に反対。
靖国神社への参拝も欠かさないという、いわば「真正保守」の旗手。
ですが党内では、安倍派以外からの支持は限定的とされ、孤立気味とも見られてきました。
その姿勢に対して、「強硬すぎる」「協調性に欠ける」といった批判があったのも事実です。
だからこそ、「仲間がいない」「保守を装っている」といったワードが引っかかる人が続出しました。
一方で、皮肉なことに「ビジネスエセ保守」というワードが、小泉陣営自身にブーメランとして返ってきたという声も。
- 「保守を装ってるのはどっちだよw」
- 「コメント例文を出す時点で“実直”感ゼロ」
- 「むしろ本人が“ビジネス”っぽい…」
こうした声が広がり、話は一気に拡大。
「この表現、選挙妨害では?」という批判も上がり、総裁選の公正性に疑問が投げかけられました。
そもそも選挙戦では、間接的な批判や中傷に対して、世間が過敏に反応します。
「名前は出してないからセーフ」では済まない時代です。
表現の一つひとつに、どんな意図が込められているか。
そして、それがどんなふうに受け取られるか。
それを軽く見た結果が、この炎上だったのかもしれません。
この言葉が誰を指していたのか――結論は明かされていません。
ただ、「高市氏では?」という受け止めが主流だったのは間違いなく、結果的に党内の対立構造をより際立たせることになったと言えるでしょう。
次は、この騒動に対するSNSでの怒りの声を見ていきます。
「なんかモヤモヤする」と感じた人たちのリアルな反応が、選挙の裏側を物語っています。
SNSで噴き出す怒り
「なんか、名指ししてないけど…誰のことかバレバレじゃん?」
そんな投稿が、X(旧Twitter)で飛び交いました。
そうです、あの問題の17番。
「ビジネスエセ保守に負けるな」
この一文に、ネット民のセンサーが全反応したのです。

実はこの言葉、小泉進次郎陣営が総裁選に向けて用意した“応援コメント例文集”に含まれていました。
でも、ただの応援文じゃなかった。
文春が2025年9月25日にこの内容をスクープすると、X上では即座に炎上。
「これ、特定の誰かを匂わせてるよね?」
「“ビジネスエセ保守”って、皮肉効きすぎ」
こうした反応が相次ぎ、『ビジネスエセ保守』はXでトレンド入りし、大きな話題となりました。
それもそのはず。
問題のコメント例文は、表向きは小泉氏への応援ですが、裏を読めばライバル候補の“批判”にも聞こえる。
特に「仲間がいないと政策は進まないよ」などは、誰かを意識していると受け取られても不思議じゃない内容でした。
さらに炎上が加速したのが、やらせコメントの実態。
なんと、同一アカウントが500件以上の投稿をしていたことが明らかに。
「これはもう、世論操作でしょ」
そんな声が上がるのも当然です。
加えて、コメント依頼を行ったとされる広報担当者(牧島かれん事務所)は「脅迫メールを受けた」と主張。
しかし一部では、「それ、自作自演じゃないの?」との疑念まで浮上しました。
このあたりからはもう、まさに泥沼。
小泉氏は9月26日の会見で「一部行き過ぎた表現があった」と陳謝したものの、批判は収まりません。
むしろ、「指示はしてない」と他人事のような説明が逆効果に。
「いや、トップとしての責任は?」
「政治家がこんな姑息な手を使うなよ」
と、不信感はむしろ拡大していきました。
こうして、「ビジネスエセ保守」というたった一言が、
総裁選全体に火をつけ、保守分裂の象徴となってしまったのです。
この騒動、あなたはどう見ましたか?
果たして、「ビジネスエセ保守に負けるな」という言葉は、誰に向けたものだったのか?
そして――それを使った側こそ、「エセ保守」だったのではないか?
そんな疑問と共に、総裁選の本質が浮き彫りになった今回の騒動。
いずれにせよ、政治の世界も“言葉選び”が命取りになる時代に突入しています。