「接続済み」と表示されているのに、なぜか使えない…。
スマホの画面にはハッキリと「Bluetooth接続済み」の文字。
それなのに、Hondaリモート操作アプリ(Honda Remote App)を立ち上げても、ウンともスンとも言わない完全無反応な状態。
この記事にたどり着いたあなたも、きっと今まさにその画面の前で頭を抱えているのではないでしょうか。
実は私も、バッテリー交換後にまったく同じ現象に陥り、丸3日間この謎に悩まされた一人なんです。
結論から言ってしまうと、これはスマホの設定ミスなどではなく、ナビ側のシステム的な問題である可能性が非常に高いでしょう。
目次
バッテリー交換後に多発する「仮死状態」の正体
ホンダの人気ナビ「LXM-247VFLi」(GathersのVXU-227NXi、VXU-237NXi系も同様と言われています)には、実はちょっとした弱点があるようなんです。
それは、車のバッテリー交換などで電源が完全に断たれると、ナビ内部にある「Internavi通信ユニット」が仮死状態になってしまうという現象です。
ここがこのトラブルのややこしいところなんです。
なぜ「接続済み」なのに使えないの?
実はこのナビ、私たちユーザーとの「つながり」を2つのルートで管理しているようなんです。
【ナビが管理している2つの鍵】
- Bluetoothのペアリング情報(スマホとつなぐ線)
- Internavi認証情報(アプリを動かすための許可証)
バッテリー交換で電源が切れると、どうやら「Internavi認証情報(許可証)」の方だけがキレイに消えてしまうケースがあるようなのです。
その結果、以下のようなチグハグな状態が生まれます。
① Bluetooth接続は復活する
→ だからスマホ側には「接続済み」と表示される。
② でも、アプリ連携に必要な認証情報は消えている
→ 「許可証」がないので、アプリからの命令はすべて無視される。
例えるなら、「家の玄関の鍵は開いているのに、なぜかドアノブが回らなくて部屋に入れない」ような状態でしょうか。
これでは「繋がってるのに繋がらない!」とイライラしてしまうのも無理はありません。
【解決策】10分で直る?試すべきリセット術
では、どうすればこの「ドアノブ」を直せるのでしょうか。
ディーラーに行く前に、自分で試せる方法をご紹介します。
確実に直したい人はこれ一択
少し勇気がいりますが、一番確実性が高いと言われているのが「ナビの工場出荷時初期化」です。
登録地点などのデータは消えてしまいますが、背に腹は代えられません。
【リセットの手順】
- ナビ画面で「ホーム」→「設定」→「システム」→「その他設定」と進む
- 一番下までスクロールし「工場出荷時初期化」をタップ
- 再起動後、言語や地域、時刻を再設定する
- スマホとのBluetoothペアリングを削除し、一からやり直す
- Hondaアプリを一度完全終了(タスクキル)→再起動→車両を再登録
私の経験上、これで8割以上の方が復活するのではないかと思います。
コーヒーを一杯飲んで落ち着いている間に終わる作業ですので、まずはこれを試してみてください。
どうしてもデータを残したい派のあなたへ
「初期化だけはどうしても避けたい…!」
そんな方は、成功率70%程度(※ネット上の声による推測)ですが、以下の裏技的な手順を試してみる価値はあります。
ポイントは「焦らず待つこと」です。
- ナビの電源を完全オフにする(エンジンを切る)
- 運転席のドアを一度開けて30秒待つ(システムの終了を促す)
- ドアを閉めて、そのまま5分以上放置する
(※ここが重要!内部の通信ユニット(DCM)が完全にリブートするのを待ちます) - その間に、スマホのBluetooth設定からナビの登録を削除しておく
- ナビ側でも、再起動後にスマホ情報を削除(設定→Bluetooth→登録機器一覧)
- ナビの電源を入れ、すぐにペアリングし直す
- アプリを再登録してみる
ここで大事なのは「5分放置」です。
焦って2分くらいで再起動しても、内部ユニットの電力が抜けきらずリセットされないことが多いようです。
じっくり待ってみましょう。
どうしてもダメならディーラーへGO
上記を試してもダメだった場合は、ハードウェア的な対応が必要かもしれません。
ホンダのディーラーに電話をして、こう伝えてみてください。
「バッテリー交換後にリモート操作アプリが繋がらなくなったので、DCM(通信機)の初期化をお願いできますか?」
ホンダ側でもこの症状は「よくある事例」として認識されていることが多いようです。
専用の診断機(HDS)を使った数分の作業で、あっさりと直るケースがほとんどでしょう。
料金も無料~3,000円程度で済むことが多いようです。
なぜバッテリー交換でこんなことに?
そもそも、なぜバッテリーを交換しただけでこんな面倒なことになるのでしょうか。
犯人は、ナビ内部にある「スーパーキャパシタ」という部品である可能性が高いです。
これは、バッテリーを外しても数分間だけナビの記憶(メモリ)を保持してくれる、小さな予備電源のようなものです。
しかし、その容量はごくわずか。
「たった数分」しか持たないと言われています。
プロの整備士さんが行う手早いバッテリー交換(10分以内など)なら耐えられる設計なのでしょう。
しかし、以下のようなケースではキャパシタの電力が尽きてしまいます。
- DIYで慣れない作業をして時間がかかった
- マイナス端子を外した状態で休憩してしまった
- メモリーバックアップ(予備電源)を取らずに作業した
こうなると、スーパーキャパシタが完全放電し、Internavi認証情報が蒸発。
結果として「アプリ連携機能だけが死亡する」という悲劇が起きるわけですね。
次回のバッテリー交換で絶対やること3つ
もう二度とこんな面倒な思いをしたくないですよね。
次回のバッテリー交換時には、以下の3点を意識するとトラブルを防げるはずです。
① メモリーバックアップを使う
OBD-IIコネクタなどに接続するタイプの「バックアップ電源」をご存じでしょうか?
ネット通販でも1,500円ほどで手に入ります。
これを使えば、車のコンピュータに電気を送り続けられるので、設定が消えるのをほぼ確実に防ぐことができます。
② 作業は15分以内に
バックアップ電源がない場合は、まさにスピード勝負。
もし自信がなければ、カー用品店やディーラーなどのプロに任せてしまうのが無難かもしれません。
③ 交換後すぐにエンジンをかける
交換作業が終わったら、30秒以上アイドリングさせてみてください。
これにより、ナビ内部のスーパーキャパシタが再充電されると言われています。
おまじないのようですが、意外と効果があるかもしれません。
今すぐ試してほしいこと
もしあなたが今この瞬間、「繋がらない!」とイライラしながらスマホを握りしめているなら。
まずは騙されたと思って、「工場出荷時初期化」を試してみてください。
設定をやり直すのは少し面倒ですが、あの「繋がらないストレス」から10分で解放されるなら安いものではないでしょうか。
それでもダメなら、迷わずディーラーへ相談しましょう。
恥ずかしがる必要はありません、意外と多くのホンダユーザーが通る道なのですから。
この記事が、あなたの助けになれば嬉しいです。
さあ、今すぐナビの前に座って、快適なカーライフを取り戻しましょう!




