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にじさんじ叶の炎上騒動とは?中国で批判されたりりむとファン太の誤解

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にじさんじ所属の人気VTuber・叶さんが、中国のSNS上で突如炎上を巻き起こしました。

きっかけとなったのは、GTA配信中に行われた、ファン太さん・魔界ノりりむさんとのやり取り。

日本では「いつものネタ」として受け入れられた場面が、中国では「女性蔑視」と受け取られ、批判が集中。

さらに、悪意ある切り抜き動画の拡散や翻訳の誤差、儒教的な文化背景が複雑に絡み合い、事態は想定外の方向へと進展していきました。

本記事では、叶さんの発言の真意、炎上の経緯、そして中国における“誤解”がなぜ広がったのかをわかりやすく解説。

ファン太さん・りりむさんとの関係性や、中国独特の倫理観とのギャップにまで踏み込み、騒動の核心を探ります。

配信者のネタ演出が誤解を招いた理由

 

VTuberグループにじさんじの人気企画「MAD TOWN」での一幕が、海外で思わぬ形で受け取られ、大きな波紋を呼びました。

出演していたのは、叶さん、ファン太さん、そして魔界ノりりむさん。

舞台となったのは、過激なロールプレイが可能なゲーム『GTA V』です。

この日、叶さんはギャング役として、警察役のりりむさんをゲーム内で“誘拐”するというシナリオを展開。

そこにファン太さんが加わり、叶さんが「好きにしていいよ」と言いながらりりむさんを“引き渡す”ような流れになりました。

 

これはあくまでゲームの中での演出であり、セクハラ的な意図はまったく含まれていませんでした。

ファン太さんとりりむさんの間では、過去にもゲーム内での軽快な掛け合いが定番だったため、視聴者の多くも“ネタ”として理解していました。

 

しかし、叶さんが配信中に一時離席した後の場面が、事態を思わぬ方向に導きます。

この間にファン太さんが使用した“救護を行う”というゲーム内エモートが、見方によっては性的な意味合いにも取れる動きだったため、それが問題視されるきっかけとなったのです。

 

このやり取りの一部が動画として切り抜かれ、中国語圏向けのSNSや動画サイトに投稿されました。

問題を大きくしたのは、切り抜き動画の編集内容でした。

  • 叶さんのセリフだけを切り取って“りりむさんを差し出す”印象に
  • エモートの場面を強調し、不自然な字幕と効果音を加えて印象操作
  • 背景音に緊張感のあるBGMを追加し、“被害者と加害者”の構図を演出

さらに、りりむさんが別場面でヘリの操縦に成功し、嬉しさのあまり涙を流した場面までが、「男性陣の行動にショックを受けて泣いた」と誤解される形で編集され、拡散されていきました。

 

こうして、もともとは笑いを誘うフィクションとして成立していた演出が、文脈を失った状態で“セクハラの証拠”として受け取られてしまったのです。

 

拡散先である中国の一部の視聴者には、女性をネタにする演出が受け入れられにくい傾向があり、特に「兄のような立場の男性が女性を守るべき」という価値観から、叶さんとファン太さんへの批判が強まりました。

また、叶さんが後日、自身のXで「出演者間で話し合いは済んでおり、本人が問題にしていない」といった内容の説明を行ったことも、誤解を深める要因となりました。

日本語では「トラブルではないことを丁寧に伝えた」つもりでも、翻訳や文脈の違いから「自らの行動を正当化している」と受け取られてしまった可能性があります。

一部のSNSやまとめサイトで拡散された憶測が発端ともされており、そこから動画が作られ、誤認が広がっていったことを考えると、今回の炎上は“伝わり方”にまつわる危うさを象徴する出来事と言えるでしょう。

 

このように、発言や行動が一部分だけ切り取られて拡散されると、本来の意図とは異なる意味を持ち始めてしまう――それが今回の問題の本質です。

SNSで加速した中国圏の怒り

 

今回の騒動がここまで拡大した背景には、SNSによる情報拡散のスピードと、その受け取り方の差異が大きく関係しています。

誤解を招いた切り抜き動画は、bilibiliをはじめとした中国語圏向けの動画サイトや、Xの中国語圏コミュニティを中心に急速に拡散されました。

拡散を後押ししたのは、映像の編集による印象操作です。

字幕による感情の誘導や、感情的に編集された音声(例:強調された声のトーン)、さらに緊迫感を煽るBGMなどが加えられたことで、「嫌がる女性に対し男性キャラが圧力をかけている」という構図が強調されました。

 

このような映像を見た視聴者の中には、元の配信の文脈を知らない人も多く、短い切り抜きだけを根拠に強い嫌悪感を抱いた人が少なくありません。

その結果、叶さんのXには大量の中国語コメントが寄せられ、

「女性蔑視ではないか」

「なぜ運営は黙っているのか」

といった抗議の声が集中。

一部でボイコットを求める声も見られました。

 

こうした動きは、出演者のりりむさんが「まったく嫌な気はしていない」と明言していたにもかかわらず、止まる気配がありませんでした。

感情の共有が先行し、「本人がどう感じたか」よりも「視聴者がどう感じたか」が重視された結果、当事者の意図とは異なる形で怒りが拡大していったのです。

 

このような反応の背景には、中国の一部の視聴者層では、女性の尊厳に関わる言動に敏感に反応する傾向があることが挙げられます。

たとえフィクションであっても、“女性が軽んじられているように見える”演出には強い反発が起きやすい環境にあり、ネタとして成立していた日本側の感覚との間に大きなズレがあったことは否めません。

 

また、叶さんが後日Xで簡潔に説明した投稿も、誤解を広げる一因となりました。

日本の文脈では「トラブルではないことを明言する」意図だったとしても、文化や言語の違いにより、

  • 自身の行動を正当化している
  • 加害者側の立場で発言している

と受け取られるリスクがありました。

 

日本のSNSやフォーラム上では、

「明らかにネタとしての演出だった」

「いつもの二人の軽妙な掛け合い」

「編集された切り抜きだけで叩くのは不公平」

といった冷静な声が主流です。

配信をリアルタイムで視聴していたファンの多くは、当日のやりとりがいつも通りのロールプレイであり、誰かを不快にさせる意図は感じられなかったと証言しています。

 

このように、同じ出来事であっても、受け取り方の“土壌”が違えば全く異なる問題として膨らむ可能性がある——。

それを象徴するような炎上劇だったと言えるでしょう。

 

次のセクションでは、騒動の渦中にある3人の配信者が、それぞれどのような姿勢を示したのか、反応と立場の違いを詳しく見ていきます。

3人の配信者が取った異なる対応

今回の騒動で注目を集めたのが、当事者である3人のVTuberがそれぞれ示した“異なる対応”でした。

炎上の発端となった配信以降、彼らがどのような姿勢を見せたかは、ファンの受け取り方や批判の温度差にも影響を与えています。

 

まず、もっとも早く反応を示したのが魔界ノりりむさんでした。

 

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X

彼女は自身のXで、今回の件について「嫌な気持ちは一切ない」と表明し、ネタとして楽しんでいたというスタンスを強調しました。

一部の視聴者が“被害者”として扱おうとする動きに対しては、「勝手に私の気持ちを語らないで」と釘を刺すような投稿も見られ、誤った受け止め方に対して自らの立場をはっきり示しました。

 

実際、問題となった配信中でも、りりむさんは終始冗談を交えて笑顔でやり取りを続けており、本人的にも深刻な出来事とは受け止めていなかった様子がうかがえます。

 

とはいえ、一部の中国語圏の視聴者からは「表面上は平気でも、本心では傷ついているのでは」といった推測が広がり、りりむさんの発言に対する信頼度にも温度差が見られました。

このように、“当事者の発言よりも第三者の想像が優先される”という現象も、今回の炎上を複雑にしています。

 

次に、ファン太さんは騒動以降も通常どおり配信活動を継続していますが、騒動について直接的な言及は避け、沈黙を保っている状態です。

SNSでも関連する投稿は見られず、配信中も炎上に関して触れることはありませんでした。

 

この対応については意見が分かれており、

「あえて騒ぎ立てないのは賢明な選択」

「当事者なのに何も発信しないのは無責任では?」

といった声がそれぞれ上がっています。

ただ、りりむさん自身が問題視していないことを公言している以上、過剰に反応することで炎上がさらに広がるリスクを避けた可能性も否定できません。

 

そして、最も積極的に対応を見せたのが叶さんです。

彼は騒動後の配信内で、自身の言動や演出が一部の視聴者に不快感を与えたことを認め、謝罪と説明を行いました。

 

その中で、「不快に感じた視聴者への反省」と「演出の配慮不足を認める姿勢」が印象的でした。

また、りりむさんとは事前・事後に話し合いをしており、本人が不快に感じていないことも視聴者に向けて説明しました。

 

このような丁寧な姿勢は、日本国内のファンからは「誠実な対応だった」「むしろ誤解されてしまった側」と評価される一方で、一部の中国語圏ユーザーからは「自己弁護に聞こえる」「被害者意識が足りない」といった批判的な声も見られ、文化的な感受性の違いが改めて浮き彫りになりました。

 

このように、3人の対応はそれぞれ異なるスタンスを示しており、

  • 魔界ノりりむさんは「ネタとして問題なし」と即時に明言
  • ファン太さんは「発信を控え、活動は継続」
  • 叶さんは「反省と説明を行い、視聴者に向けて丁寧に説明」

という形で温度差がありました。

 

とはいえ、共通していたのは「りりむさん本人が被害を感じていない」という一点です。

これを前提にすれば、今回の炎上は“当事者間での問題”ではなく、“外部の誤解と反応の連鎖”によって拡大した事例であることが見えてきます。

日本と中国の温度差

今回の騒動では、国や地域ごとに異なる「価値観」や「受け取り方」が顕著に現れました。

とくに日本と中国では、まったく同じ映像であっても、その解釈や感情の動きには大きなズレがあったことが浮き彫りになっています。

 

まず、日本国内では、この一件を“ゲーム内ロールプレイの範囲”と受け止める声が主流でした。

配信をリアルタイムで視聴していたファンからは、

「GTAという過激なゲームの演出として自然」

「いつものネタとして成立していた」

「りりむさん本人が明るく対応していた」

といったコメントが多く寄せられていました。

 

また、SNSでは

「切り抜き動画では文脈が伝わらない」

「部分だけ見て叩くのは不公平」

という声もあり、全体像を把握した上で判断する姿勢が目立ちました。

中には「中国語圏の反応は文化の違いによるもの」と捉える声もあり、単なる対立ではなく“価値観のすれ違い”として理解しようとする冷静な反応も多く見られました。

 

中国の一部の視聴者層では、ジェンダー意識の高まりから、女性が不利に見える演出に敏感な傾向があり、たとえネタやフィクションであっても“現実の価値観”と照らし合わせて受け止める姿勢が強いようです。

過去にも、アイドルの発言や振る舞いが女性蔑視と批判された例が見られ、芸能・配信コンテンツに対しても倫理的な厳しさが求められる傾向があります。

 

また、「本人が問題視していない」という情報に対しても、

「それは本音ではないかもしれない」

「立場上、言えないだけではないか」

といった推測が先行しがちで、当事者の言葉よりも“視聴者の想像”が重視される点も、日本の文化とは大きく異なります。

 

さらに、視聴スタイルの違いも反応の差に影響しています。

日本では「配信全体を見て判断する」スタンスの視聴者が多いのに対し、中国では切り抜き動画を基に判断する視聴者もいるため、文脈が省略されたまま誤解が広がるケースが目立ちました。

このように、日本と中国では

  • 何を問題とするか
  • 誰の言葉を信じるか
  • コンテンツをどう捉えるか

といった基準が根本的に異なっています。

 

どちらが正しいという話ではありません。

それぞれの社会的背景や、文化的な感受性の違いがある以上、完全に共通の理解を築くことは簡単ではないでしょう。

ただし、配信者やファンにとって重要なのは、そうした“文化の違い”が存在することを前提にコンテンツを発信・消費する意識を持つことです。