大相撲夏場所、史上最速で初優勝を決めた大の里。
ファンも実況も拍手喝采、NHKの解説者も「いや〜これはすごい」と思わず語彙を失うほどの快挙。
で、その優勝パレードですよ。
晴れ姿の大の里がオープンカーに乗って、街をゆったり走っていくんですけど
「えっ、高安乗ってるじゃん!?!?」
そう、隣にいたのは現役バリバリの高安。
土俵での対戦歴もある現役力士が、名誉な旗手として並んでパレードしていたのです。
ファンも通行人も「え、付き人?いや違うよな?あれ旗持ってない?旗手?あれ??」と、謎が謎を呼ぶ配置だったのです。
ネット上でも
「不思議」
「どういう関係?」
と疑問の声が相次ぎました。
実はこの背景には、単なる“友情”では片付けられない、深い人間関係と相撲界独特の“絆”が存在します。
この構図をひもとくことで、相撲の世界が少し違って見えてくるかもしれません。
高安はなぜ旗手として登場したのか?
<大の里優勝!>
パレード。
旗手は髙安。#sumo #相撲 #五月場所 #夏場所 pic.twitter.com/Mb2lbnrAsF— 日本相撲協会公式 (@sumokyokai) May 25, 2025
優勝パレードにおいて、高安は「旗手」として、大の里の隣に立っていました。
この配置を本人も「前日まで知らされていなかった」と語っており、サプライズ的な決定だったようです。
では、なぜこの人選になったのか?
そこには、相撲界ならではの“兄弟弟子”とか“一門の絆”とか、まるでNHKの特集で流れそうな渋〜い背景があるのです。
まず高安、実は大の里の師匠である二所ノ関親方(元・稀勢の里)の兄弟弟子なんです。
ってことは、大の里から見たら“師匠の兄弟弟子”、つまり“親戚のおじさん”みたいな存在。
しかも彼ら、今も同じ「二所ノ関一門」っていう、部屋をまたいだグループにも属してる。
もうこれ、小学校のPTAよりもつながり濃い。
ちなみに、この“一門”ってのがまた独特でして。
稽古でも行事でも、お互い助け合う“相撲版・助け合いジャパン”みたいなものなんです。
兄弟弟子という見えない糸
高安と二所ノ関親方は、元々同じ鳴戸部屋の出身。
つまり、兄弟弟子という間柄です。
現在は田子ノ浦部屋に所属する高安ですが、相撲界ではこの兄弟弟子というつながりが非常に重視されます。
また、大の里が所属する二所ノ関部屋と高安の田子ノ浦部屋は、いずれも「二所ノ関一門」に属しています。
このような関係性を背景に、高安が名誉ある旗手として選ばれたのは、むしろ自然な流れともいえます。
背中を押した恩人
そしてこれ、なかなか知られてないんですが――
大の里がまだ入門前だった頃、初めて部屋を見学に行ったとき、稽古をつけてくれたのが高安。
その経験が、大の里にとって大きな励みとなり、入門のきっかけとなったとも言われています。
いわば「君、いいよ。ウチ、入らない?」みたいなスカウト。
そこから大の里は入門を決意!
師匠は稀勢の里。
で、今や優勝力士。
高安は、ただの先輩というだけでなく、大の里にとって入門を後押ししてくれた存在。
だからこそ今回、パレードの旗手に高安が選ばれたのも納得。
そんな恩人へ感謝を込めた敬意の表れでもあったのでしょう。
相撲界に残る人と人の温度感
今回のパレード、高安が旗を持って横にいたこと。
正直、事前にアナウンスもなく、「なんかノリで乗ったのか…?」って一瞬よぎるんですが、ふたを開けてみれば、そこには深い絆と長年のご縁と恩返しが詰まっていたんです。
現代のスポーツ界では、結果重視や合理主義が叫ばれる一方で、相撲界にはまだ“情”や“恩”が生き続けています。
スポーツって、勝ち負けとか記録がフォーカスされがち。
相撲は特に、“人間関係”で泣けることが多いジャンルなんですよね。
優勝した力士の隣に、他の現役力士が旗手として並ぶ。
これは珍しいケースですが、今回のように
- 一門
- 師弟
- 恩人
といった多層的な関係が絡むと、それは納得の配置にも映ります。
「一門のつながりって、こういう時に可視化されるんだな」
そう感じたファンも少なくなかったのではないでしょうか。
育ててくれた人が隣にいて、しかも旗持ってくれてる。
しかもその人、現役の関取。
「どこまで育てんねん!ていうか旗持つんかい!」って思わずツッコみたくなるけど、それもまた粋なんです。
まとめ
大の里の優勝パレードに高安が隣にいたのは、話題作りでも単なる付き合いでもなく、
- 一門としてのつながり
- 師匠を通じた兄弟弟子の絆
- 入門を後押しした恩人への敬意
これらが積み重なった、相撲界らしい“人間関係の形”でした。
「話題作りじゃないの?」
「サービス精神?」
なんて思った方もいるかもしれませんが、これがガチの人間関係なんです。

一見不思議に見える演出にも、そこに込められた背景を知ることで「なるほど、そういうことだったのか」と納得できる。
そして、こういうエピソードがあるからこそ、相撲って面白い。
誰が勝ったかだけじゃなくて、「誰が誰と、どうつながってるのか?」まで味わい尽くすと、もっと沼にハマれますよ。
(そして次のパレードでは、誰が隣に乗ってるか、ちょっと気にして見てみてください。意外と深い理由、あるかも…?)