山本章一の性加害に漫画家たちが激怒!才能があれば許される時代の終焉

堕天作戦の作者・山本章一氏による教え子への性加害問題。

この事件に対して、被害者やファンだけでなく、現役の漫画家やクリエイターたちが異例の規模で怒りの声を上げていることをご存知でしょうか。

判決からわずか1週間で、Xを中心に数百件以上のクリエイター発信が確認されています。

「創作者の端くれとして絶対に許してはならない」

「全漫画家への社会的信頼が地に堕ちる」

「才能がお金になったとしても、人間性に問題があったらNOと言える社会にしたい」

これらは匿名の怒りではありません。

実名で活動するプロの漫画家たちが、自分のキャリアを賭けて発信した言葉です。

 

そしてこの動きは、山本章一事件だけの話ではないと感じています。

中居正広の引退、松本人志の活動休止、ジャニーズ事務所の崩壊。

日本のエンタメ業界全体で、「才能や人気があれば性加害が許される時代」が確実に終わりつつある

山本章一のこの常軌を逸した性加害問題は、その流れが漫画業界に到達したことを告げる象徴的な出来事です。

この記事では、漫画家たちの具体的な声、巻き込まれた作画者の悲劇、エンタメ業界全体の地殻変動まで、広い視野で見ていきたいと思います。

事件の概要をおさらいする

まず、事件を知らない方のために簡潔に振り返ります。

2026年2月20日、札幌地裁は漫画家・山本章一氏(50代)に対し、元教え子の女性への性的加害で1100万円の損害賠償を命じました。

山本氏は北海道芸術高校でデッサン講師を務めながら漫画家としても活動しており、代表作『堕天作戦』はWEB漫画総選挙2019で3位を獲得した人気作品です。

 

裁判所が認定した加害行為は凄惨の一言で、排泄物の摂取強要、体への「奴隷」落書きと撮影、屋外での裸歩行強要など、15歳の少女に対して約3年にわたって繰り返されていました。

被害女性は解離性同一性障害(DID)とPTSDを発症し、大学を中退。

さらに山本氏は2020年に児童ポルノで罰金30万円の有罪判決を受けていたことも判明。

にもかかわらず刑事起訴はなく前科もつかず、小学館の担当編集者が150万円での口止め和解を仲介していた疑惑まで浮上しています。

「創作者の端くれとして絶対に許せない」

この事件に対して、現役の漫画家やイラストレーターが次々と声を上げている

これが今、業界内外で大きな注目を集めています。

匿名ではなく実名で作品を発表しているプロたちが、リスクを承知の上で発信している。

その重みは一般のSNS投稿とはまったく違うものがあります。

 

漫画家のなめらし氏はXでこう投稿しました。

「堕天作戦の山本章一の件、あまりにも許せないので触れる。未成年に対する常軌を逸した加害内容、地獄に100回落ちても足りない程のクソゴミカス。創作者の端くれとして絶対に許してはならない」。

この「創作者の端くれとして」という表現は、他のクリエイターからも頻繁に出てきています。

自分と同じ「漫画家」という肩書きを持つ人間がこんなことをした。

そのことへの恐怖と怒りが、同業者だからこその切実さで表れているのです。

 

漫画家のさちみりほ氏の投稿はさらに踏み込んでいます。

「才能と人間性は別だとは思う。でも人格が作品に泥を塗る事はある。山本章一氏がすべきは被害女性への謝罪と償い。十代を性加害され続け、自殺未遂まで追い込まれた苦痛がどれほどか。全漫画家への社会的信頼が地に堕ちる事となっても、沈黙は許されない」。

この投稿はいいね375、リポスト89、閲覧2.9万超と、クリエイター界隈で最も拡散された投稿のひとつです。

 

「全漫画家への信頼が地に堕ちる」。

一人の漫画家の犯罪が業界全体の信用を揺るがすという、クリエイターたちが抱えるリアルな恐怖が凝縮された言葉です。

 

漫画家の樋かりお氏はさらに鋭い指摘をしています。

「山本章一、性暴行の内容自体も酷いけど、恐らく時期的に堕天作戦を餌にして被害者へのグルーミングを始めてるんだよね。漫画と関係ないとこでの罪ではない。こんなの普通追放一択だと思うんだけど、犯罪者を庇って事情を知らない作家さんを巻き込んで新連載を立ち上げる小学館」。

「漫画と関係ないところでの罪ではない」。

つまり作品そのものがグルーミングの道具だった可能性を指摘しているわけです。

「漫画の裏話を教えてあげる」と少女に近づいた事実を考えると、この指摘は的を射ていると言わざるを得ません。

巻き込まれた作画者・鶴吉繪理氏の悲劇

クリエイターたちの怒りが最も感情的に爆発しているポイントが、何も知らされないまま巻き添えにされた作画者の存在です。

山本氏には別名義で原作を手がけていた疑惑があり、その作品『常人仮面』の作画を担当していたのが鶴吉繪理(つるよし えり)氏

ヤングジャンプで『ブルーフォビア』を連載していた実力派の女性漫画家です。

常人仮面は全12巻が刊行され、最終巻は2月19日に発売されたばかり。

それがわずか1週間後にKindleから配信停止されました。

 

2月26日朝、鶴吉氏はXでこう投稿しています。

「とても、ショックだ………酷い、悲しい…」

作品名も人名も出さない、感情だけの短い投稿。

しかしこの投稿は閲覧92万超、いいね2300超にまで達しました。

 

漫画家のまるめ氏は、この状況をこう批判しています。

「山本章一の別名義疑惑のあるマンガワン連載作、作画担当の方はおそらく女性なんだよね。原作者が性加害者であることをわかっていながら、作画に女性漫画家をアサインする担当編集の倫理観がどこまでも終わっている」。

漫画家の比呂ころく氏の投稿はさらに反響を呼びました。

「常人仮面の作画の人が、一路一が山本章一の別名義だったことは知っていたとしても、性加害事件があったことは知らないまま連載終了させられてたとしたら小学館マジキチなのでは?」。

この投稿はいいね840超。

「同じ立場だったら自分も被害者だった」という強い共感がクリエイター間で広がっています。

 

12巻分の膨大な作画労力。最終巻発売からわずか1週間での配信停止。出版社からの説明ゼロ。

なーにゃ氏が指摘するように、性犯罪者に対して手厚くフォローしながら、作画さんには黙って原作者として活動させていたのが事実だとすれば、これは明らかに出版社による二次被害です。

SNSでは「鶴吉先生のショック投稿を見て泣いた」「作画者救済を」という声が日に日に大きくなり、小学館への新たな批判軸として定着しつつあります。

中居正広の引退が示した「才能で守られる時代の終わり」

ここから視野を広げます。

山本章一事件が漫画業界だけの問題ではないことを理解するために、日本のエンタメ業界全体で今何が起きているのかを見てみましょう。

 

2025年、元SMAP・中居正広氏の性加害が第三者委員会で認定され、芸能界を引退するという衝撃的な出来事がありました。

中居氏は国民的人気を誇り、長年「好感度No.1」として守られてきた大物中の大物です。

しかし第三者委員会の報告書は「業務の延長線上における性暴力」と明確に認定。

才能も人気も長年の功績も、一切考慮されませんでした。

結果として中居氏は芸能界を引退。フジテレビ社長と常務が引責辞任するという、局全体を巻き込む大騒動にまで発展しています。

 

国民的アイドルですら許されなかった

この事実が持つ意味は非常に大きいと思います。

「才能があるから」「人気があるから」「長年業界に貢献してきたから」。

そうした理由で性加害がなあなあにされてきた時代に、明確な終止符が打たれた。

漫画家たちも「中居問題と山本章一は同じ構造だ」と口々に指摘しています。

国民的タレントの才能が免罪符にならなかったのに、人気WEB漫画家の才能が免罪符になるはずがない、と。

松本人志、ジャニーズ…崩れ続ける「才能の聖域」

この流れは中居氏だけの話ではありません。

ダウンタウン・松本人志氏の性加害疑惑は2023年末の週刊文春報道から始まり、活動休止が長期化しています。

松本氏は日本を代表するお笑い芸人で、「天才」「カリスマ」と称されてきた人物。

長年その才能ゆえに不祥事が大目に見られてきた面があります。

しかし#MeTooの波及後、もはや才能や功績で性加害を帳消しにすることは不可能になった。

2026年現在もテレビ復帰のめどは立っていません。

 

そして故・ジャニー喜多川氏の性加害問題。

2023年のBBC報道をきっかけに長年隠蔽されてきた加害が白日の下にさらされ、日本最大級の芸能事務所が事実上の解体に追い込まれました。

「人気タレントの才能を生み出す場所」として絶対的な力を持っていた組織が、性加害の構造を放置してきたことで崩壊した

たとえそれが疑惑であってもこうなのです。

この衝撃は、日本のエンタメ業界全体に「もう昔のルールは通用しない」という認識を広めました。

 

中居正広、松本人志、ジャニーズ。

日本のエンターテインメントを支えてきた「巨人」たちが、性加害疑惑によって次々とその地位を失っている。

漫画家たちがこの流れを引き合いに出すのは自然なことです。

ダウンタウン級の人気でも性加害の疑惑がつくだけで通用しなくなった。山本章一の「人気作作者」という肩書きが免罪符になるはずがない」。

この認識は、もはやクリエイター界隈のコンセンサスになっています。

漫画業界でもすでに流れは始まっていた

実は漫画業界でも、この潮流はすでに動き始めていました。

2020年、集英社の人気作『アクタージュ』の原作者が逮捕された際、集英社は逮捕即日に連載を打ち切り、コミックスの出荷停止と電子書籍の配信終了を即座に実施

「人気作だから様子を見よう」ではなく、即座に切るという判断が取られたのです。

2017年のるろうに剣心・和月伸宏氏の書類送検時も即休載。

2002年の島袋光年氏逮捕時は即打ち切り・全巻絶版。

集英社では「人気があっても許さない」がスタンダードになっていました。

 

では小学館はどうだったか。

2021年に事件の詳細を把握していた可能性が高いのに、150万円で被害者を黙らせて連載再開を狙った。

失敗しても「私的トラブル」で読者を騙し、さらに別名義で仕事を回し続けた。

これは明らかに「才能があるから、人気作だから守ろう」という旧時代の発想です。

漫画家たちからも「アクタージュの時は即打ち切りだったのに、小学館は別名義で継続させた。才能で許される最後の抵抗だったが、大失敗して炎上した」という指摘が出ています。

中居正広の引退、松本人志の活動休止、ジャニーズの崩壊、アクタージュの即打ち切り。

そして山本章一事件での小学館への猛烈な批判。

「才能があれば許される」の最後の牙城が、今まさに崩れようとしている

それがこの事件の、業界史的な意味だと感じています。

漫画家たちが声を上げ続ける3つの理由

ここまで紹介してきたクリエイターたちの声を読んで気づくことがあります。

彼らが怒っているのは、「山本章一個人を叩くため」ではないということです。

 

ひとつ目は業界全体の信頼を守りたいという危機感。

さちみりほ氏が指摘した「全漫画家への社会的信頼が地に堕ちる」という言葉は、多くのクリエイターの心を代弁しています。

一人の犯罪者のせいで「漫画家=危険」という偏見が生まれることを防ぐには、同業者自身が「こんなものは絶対に許さない」と明確に線を引く必要がある。

彼らの声は、その線引きの行為なのです。

 

ふたつ目は仲間を守りたいという思い。

鶴吉繪理氏のように、何も知らされないまま犯罪者とタッグを組まされるクリエイターが二度と出てはならない。

「次は自分や自分の仲間が巻き込まれるかもしれない」という恐怖は、同じ業界で働く人間にしかわからないリアルな感覚です。

特に女性クリエイターからの声が多いのは、「性加害者の隣で仕事をさせられていたかもしれない」という恐怖がより切実だからでしょう。

 

そして3つ目は被害者へのメッセージ

吾輩氏の「被害者の方が心から笑える日が来ることを祈ります。貴女は決して悪くない」という言葉。

クリエイターとして「加害者を擁護しない」というスタンスを示すことで、被害者に「あなたは間違っていない」と伝えたい。

この思いが、多くのクリエイターの声の底に共通して流れています。

「性加害にNOと言える社会にしたい」

多くの怒りの声の中で、ひとつ特に印象に残った投稿があります。

デルモンテ苫尾氏の言葉です。

「堕天作戦の作者に復帰の手ほどきをした小学館は猛省してほしい。漫画ファンが現役クリエイターさんたちの『性加害はどうあっても許さない』というたくさんの声明にどれだけ救われているか。いくらその才能がお金になったとしても、人間性に問題があったらNOと言える社会にしたい」。

 

この投稿が特別なのは、ファン側からクリエイターへの感謝が含まれている点です。

良識あるクリエイターたちが声を上げてくれていることに、読者やファンが救われている。

その感謝がクリエイターに「声を上げてよかった」という安心感を与え、さらなる発信を後押しする。

この好循環こそが、業界を変える本当の力になるのだと感じます。

 

「才能がお金になったとしても、人間性に問題があったらNOと言える社会にしたい」。

この言葉は今回の事件を超えた普遍的なメッセージです。

中居正広の引退も、松本人志の活動休止も、ジャニーズの崩壊も、アクタージュの打ち切りも、そして山本章一事件も。

すべては同じ流れの中にある。

才能や人気が性加害の免罪符になる時代は、終わったのです。

この声を「届ける側」に回ってほしい

最後に、この記事を読んでくださった方にお伝えしたいことがあります。

漫画家やクリエイターたちの「性加害にNO」という声は確実に広がっています。

しかし、まだ十分ではない。

地上波テレビでの報道はまだ確認されておらず、「ネットだけの炎上」で終わるリスクがある。

クリエイターたちが「もっと多くの人に知ってほしい」と感じている危機感は、切実なものです。

 

中居正広の事件では、SNSの怒りがテレビや新聞にまで波及し、最終的に引退と局トップの辞任につながりました。

松本人志の件でも、ネットの声が社会的な圧力となり活動休止に追い込んだ。

声は、届けば力になる。

そして今、漫画業界でも同じことが起きようとしています。

 

クリエイターたちが声を上げてくれていることに、私たち読者はもっと応えていいのではないでしょうか。

彼らの投稿をシェアすること。

この事件を知らない人に伝えること。

「才能があっても性加害は許されない」という当たり前のことを、当たり前として確認し続けること。

さちみりほ氏の言葉を借りれば、「沈黙は許されない」のです。

それは加害者に対してだけでなく、この事件を知ったすべての人に向けられた言葉だと、私は受け止めています。

 

被害女性の1日も早い回復を祈っています。

作画者・鶴吉繪理氏をはじめ、巻き込まれたすべてのクリエイターがこれ以上傷つかないことを願っています。

そして声を上げてくれたすべての漫画家・クリエイターに、心からの敬意を。

才能があれば許される時代は終わりを遂げようとしています。

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