上映が始まるやいなや、SNSには賛否の嵐。
チケットを取るか迷っている人の声も、妙にリアルです。
「なんかモヤモヤする」
「面白そうなのに評価が割れてる」
そう感じたなら、この記事はきっとヒントになるはず。
本作がなぜここまで“つまらない”と言われているのか。
“声優が下手”“脚本がひどい”と断じられる背景にあるのは、もっと複雑で、観る前に知っておいて損はない話かもしれません。
では、どんな映画だったのか?順を追って見ていきましょう。
2025年11月に公開されたアニメ映画『果てしなきスカーレット』。
細田守監督の4年ぶりの新作ということで、公開前から期待と不安が入り混じっていました。
でも実際、どんな映画なのか?
「観ようか迷ってる…」という人に向けて、ざっくり紹介していきますね。
物語の舞台は、ちょっと北欧っぽい中世の王国。
主人公はスカーレットという王女で、父である国王が亡くなったことをきっかけに、死者の国へと旅立ちます。
その途中で出会うのが、現代の日本から迷い込んできた看護師の聖(ひじり)。
異世界のような不思議な空間で、このふたりの旅が始まる――ざっくりそんなストーリーです。
テーマはずばり、「復讐」と「赦し(ゆるし)」。
シェイクスピアの『ハムレット』を下敷きにした、わりと重めの内容になっています。
途中には歌やダンスも挟まる、いわば“哲学系ファンタジー”といったところ。
キャストもかなり豪華です。
スカーレット役は芦田愛菜、聖は岡田将生。
さらに役所広司や宮野真守、津田健次郎など、実力派が勢ぞろいしています。
そして主題歌「果てしなき」は芦田愛菜本人が歌っており、映画のエンディングでその歌声が響く感動的な締めくくりです。
映像はというと…これがまた、すごい。
背景はまるで絵画みたいに美しく、キャラクターの動きもなめらか。
幻想的な死者の国のシーンでは「これ、実写?」と思うようなクオリティで、SNSでも「映像だけなら今年No.1」との声が上がるほど。
ですが──
こうした表面的な美しさやテーマ性の裏で、「観る人を選ぶ映画だな」という意見も多いのが事実なんです。
たとえば、前作みたいな仮想世界で歌って盛り上がるエンタメを期待すると、今回は重めで肩透かしかも。
「赦し」とか「死者の国」とか、テーマがガチすぎて「疲れる」という声もあります。
公開2日目時点のX感想では、
「映像は神だけどストーリー眠気誘う」
「今年ワースト級の重さ」
など、酷評がかなり目立っていました。
でも一方で、
「赦しのテーマが心に残る」
「切なくて泣けた」
と、擁護する声もちらほら。
劇場も今のところガラガラ気味。
「とりあえず初週は様子見」な空気が流れてる印象です。
一言で言うと、
「ハマる人には深く刺さるけど、合わない人にはスルー推奨の二極化映画」
これが今作の立ち位置。
では、そんな本作が「つまらない」とまで言われる理由は何なのか?
次のセクションで、本音の感想に迫っていきます。
観終わったあとに「なんか微妙だったな…」と思う人が多い映画、それが『果てしなきスカーレット』です。
じゃあ、なぜそう言われてしまうのか?
一言でいうと、観る人の“期待とのズレ”が大きすぎたというのが一番の理由です。
たとえば予告編。
映像は豪華だし、芦田愛菜や岡田将生といった有名キャストも出ている。
これだけで「感動的な冒険ファンタジーかな?」と思ってしまう人も多いんですよね。
でもフタを開けてみると、テーマは「赦しと死」。
気軽に楽しめるエンタメというより、かなり重めのストーリーです。
哲学っぽさもあって、「観てて疲れた」という声があちこちで出ています。
しかも、ストーリー展開がかなり説明的。
レビューサイトでは「説明セリフが多くてついていけない」「叫びの演技がキツイ」といった不満が目立っています。
X(旧Twitter)でも「途中でトイレ行ってもストーリー追えた」といった冗談めいた投稿がちらほら。
これはテンポが悪かったことの裏返しとも言えます。
さらに「演出と感情が噛み合っていない」と感じる人も多いようです。
登場人物のセリフが浮いていたり、感情の動きが唐突だったり。
その結果、「入り込めなかった」という感想が増えているんです。
実際、Filmarksの平均スコアは2.7/5と低調。
Xでは「脚本の粗が目立つ」「今年ワースト級の虚無感」といった酷評が目立ちます。
その一方で、劇場は初日・2日目ともに空席が目立っており、現時点では“口コミ待ち”の空気が濃厚です。
そして終盤。
ストーリーが大きく盛り上がるかと思いきや、唐突に終わってしまう。
エンディングで流れる芦田愛菜の歌は美しいのですが、「その綺麗な歌が虚無を増幅させる」という声も。
「置いてけぼり感が強かった」「スッキリしない」という感想が広がるのも、納得かもしれません。
一部のファンからは「ハムレット風で良かった」という声もありますが、正直それを読み取れる人は少数派。
むしろ、「そこまで予習しないと楽しめないの?」という戸惑いすら感じられます。
観た人の声をまとめると、
そんな映画、という印象がついてしまったようです。
とはいえ、ここまでくると気になるのは「誰が演じて、どんな脚本だったの?」という中身の話。
次のパートでは、特に酷評されている声優の演技と脚本のクセについて、もう少し深く見ていきます。
映画を観て「なんか引っかかるな…」と感じるとき、原因はだいたい“声”か“セリフ”にあります。
『果てしなきスカーレット』もまさにその典型でした。
ヒロインのスカーレットを演じたのは芦田愛菜。
演技力には定評のある俳優さんですが、声だけで感情を伝える難しさが出てしまった印象です。
Xでは
「セリフは上手いけど、叫び声(うぁぁー!!)で一気に冷めた」
「棒読みじゃないけど魂が入ってない」
「声質がキャラに合わない」
といった声が飛び交っています。
特に感情を爆発させるシーンでの“叫び”が問題視されていて、Filmarksでも「うぁぁー!!の叫びがキツくて耳塞ぎたくなる」と不満が爆発。
歌声は高評価でも、「そこはプロ声優でよかったのでは?」という投稿が殺到しています。
岡田将生、実は声優は今回が初めて。
実写では自然な演技が光る人ですが、「棒読みに聞こえる」「感情が薄く感じる」といった評価が多め。
聖というキャラ自体がやや印象に残りにくく、それが演技と脚本の両方に原因があるように見えました。
そして脚本。
細田守が単独で執筆した今作は、過去の名作(時をかける少女、サマーウォーズ)と比べて“会話が多くて内容が伝わりにくい”という声が非常に目立ちました。
説明セリフが延々と続いたかと思えば、肝心な感情部分はぼんやりしている。
例えると、「怒りの理由を5分も説明してくれるのに、何に怒ってるか曖昧」みたいなモヤモヤ感です。
過去作では共同脚本だった奥寺佐渡子の名前が今回はなし。
その不在を嘆く声も多く、
「脚本の粗が目立つ。奥寺さん帰ってきて!」
「単独脚本で支離滅裂確定」
という投稿もXでは多数見られました。
興行の先行きにも暗雲が立ち込めています。
もちろん、「重いテーマに挑んだ意欲作」という見方もあります。
でもそれを観客に伝えるには、もっと自然なセリフ運びや感情表現が必要だったのかもしれません。
『声優下手』『脚本ひどい』と言われても、仕方ない面はありますよ。
どちらも“あと一歩の詰め”が甘かったことで、全体の印象まで引きずられてしまった感じです。
果てしなきスカーレットは、つまらないと感じる人が多かった理由を一言で言えば、
声優の違和感と脚本の迷走、これに尽きます。
でも、それが逆に「刺さる」人もいる。
だからこそ、賛否がこれだけ分かれているんでしょうね。
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