2025年6月14日、BTSのジョングクがWeverseに投稿した謝罪文が大きな波紋を呼んでいます。
発端は、リハーサル中に着用していた帽子に記された英語フレーズ。
日本ブランドのキャップに書かれていた言葉が、アメリカのトランプ元大統領のスローガン「Make America Great Again」を連想させたことで、韓国国内で政治的・歴史的な論争に発展しました。
ジョングクは意図しない誤解を招いたとして即座に謝罪しましたが、日韓での受け止め方には大きな温度差が。
人気アイドルの一つのファッションが、国際的な議論を巻き起こす事態へと発展しています。
「これ、そんなに問題だったの?」
最初にそのニュースを目にしたとき、そう思った人も少なくないかもしれません。
2025年6月、BTSのジョングクが着用していたキャップをめぐり、一部で炎上が起きたと報じられました。
話題となったのは、ジョングクが被っていた帽子に記された英語のメッセージです。
SNSを中心に広がったその画像は、あっという間に拡散され、議論を呼ぶことになりました。
ジョングクが身に着けていたのは、日本のファッションブランドが手がけたシンプルで洗練されたデザインのキャップ。
ファッション性としては目立ちすぎず、どこか都会的でミニマルな印象。
しかし、その正面にあった英語のフレーズが問題視されたのです。
帽子に記されていたのは、東京を称賛するような一文。
この言葉が、かつてアメリカで話題となった政治的スローガンと似ていることから、「特定の思想を連想させる」として一部で批判を浴びました。
特に韓国国内では、この言葉に対して歴史的なイメージを重ねる声もありました。
「再び偉大に」という表現が、戦前・戦中の日本の行動や、朝鮮半島との関係性を想起させるといった解釈が、一部で指摘されたのです。
そのような状況の中、ジョングクが謝罪文を出しました。
翻訳すると、以下のようになります。
久しぶりに皆さんに会ってからこんな文を書くようになって心が重い。今日のリハーサル中に私が着用した帽子に書かれた文句により、多くの方に失望と不便をおかけした点、心より申し訳ありません。
文句が含んでいる歴史的、政治的意味を十分に確認できないまま着用した私の不足により失望と傷を与えたという点、重く受け止めています。
ただただ申し訳ありません。どんな理由であれ弁解の余地がありません。私が不足していて、不注意でした。これからは一つ一つもっと深く考えて行動します。
私のミスに対する指摘と批判、すべて謙虚に受け止めます。帽子はすぐに廃棄しました。重ねてお詫び申し上げます。
自身の不注意により誤解を招いたことへの反省と、今後の行動に対する配慮を示したものでした。
着用前に十分な確認を怠った自身の責任を認めたかたちです。
また、「どんな理由であっても弁明はできない」「一つひとつをもっと深く考えて行動するようにする」といった文面もあり、誠意ある姿勢がうかがえました。
SNSではこの対応に対し、さまざまな反応が見られました。
日本では
「すぐに謝ったのは立派」
「真面目さが伝わる」
と好意的な声が多く、同情的な空気も感じられました。
一方、韓国の一部では
「芸能人として軽率だったのでは」
「ファッションにも責任が伴う」
といった厳しい見解も少なくありません。
今回の問題は「着用していた帽子の文字」によるものでした。
デザインやブランドで選んだつもりのファッションが、言葉ひとつで政治的意味合いを帯びてしまう。
グローバルな注目を集めるアイドルであればあるほど、その影響力と責任のバランスはより繊細なものとなります。
「ただの英語のフレーズで、なぜそこまで…?」
そう感じた人もいたかもしれません。
しかし、ジョングクが着用していた帽子に記された英語のフレーズは、ある層にとって非常に敏感な意味合いを帯びるものでした。
この騒動がここまで広がった背景には、2つの“連想”が影響しています。
まず、1つ目の連想。
韓国の一部では、その英語表現が日本の歴史と関連づけられる可能性があるとの声が上がりました。
たとえば、「再び偉大に」といった構造のフレーズは、日韓併合時代や戦時中の日本の在り方を連想させると受け取られることがあるのです。
このような文脈に敏感な立場からは、「日本の過去を称賛する意図があるのではないか」といった懸念が示されるのも、決して珍しいことではありません。
SNSでは、心配する声もあがっていました。
そしてもう1つの連想が、アメリカの政治スローガンとの構造的な共通性です。
特にトランプ前大統領が掲げた「Make America Great Again(MAGA)」という標語を連想した人は少なくなかったようです。
MAGAは一部で「国家の再興」や「自国第一主義」といったイメージと結びつけられ、排他的・保守的な思想の象徴と捉えられるケースもあります。
その構文をもじったような表現が、別の国の都市名と組み合わされて使用されたことで、「極端な思想を連想する」との声も韓国のネット上で見られました。
もちろん、これらの反応がすべて正確な理解に基づいていたとは限りません。
ファッションアイテムに刻まれた言葉が、発信者の意図とは異なる意味で受け取られるのは、決して珍しいことではないのです。
ジョングク本人も、後に投稿された謝罪文の中で、意図せず誤解を招いてしまったことを説明しています。
自身の不注意を認め、今後はより慎重に行動する旨を述べたその姿勢からは、ファンや周囲への真摯な対応が感じられました。
この一件は、「言葉」の持つ重みを、改めて思い知らされる機会でもありました。
デザインやファッションに使われるフレーズが、どのような文脈で受け取られるかは、文化や歴史によって大きく異なります。
とくに、国際的な活動を行う著名人であればあるほど、その影響力と発信力は想定以上の広がりを持つため、一つひとつの選択が大きな意味を持ちます。
「文化的コンテクストのずれ」によって引き起こされた今回の問題は、決して誰かを一方的に責められる単純な構図ではありません。
両者のズレが炎上の火種となることは、今後も十分起こりうることです。
ひとつの帽子が、これほどまでに話題を呼ぶとは。
SNS時代において、発信された情報への反応は国や文化によって大きく異なることを、改めて実感させられます。
ジョングクの“帽子騒動”では、日本と韓国で世論のトーンに違いが見られました。
日本のネット上では、ジョングクの対応に対して好意的な声も見られました。
「すぐに謝罪していて好感が持てた」
「本人に悪意がなかったなら問題ないのでは」
「誠実さが伝わってきたから応援したい」
こうした反応は、X(旧Twitter)やファンのコミュニティで確認されており、彼の素早い謝罪対応に対して一定の評価が寄せられていました。
「今回の件は故意ではない」とする見方が多かったことも印象的です。
一方、韓国側では、批判的な意見が一部で目立ちました。
「アイドルは社会的影響力を意識すべき」
「ファッションであっても無知では済まされない」
「特に海外の活動が多いなら、政治的文脈にも敏感であるべき」
このような意見は、韓国のSNS上で一定の支持を集めていました。
ジョングクのような国際的な影響力を持つ人物に対しては、より高い責任が求められるという空気もあるようです。
今回のケースで注目すべき点は、こうした反応の温度差が、両国の歴史認識や文化的背景の違いを反映している可能性があることです。
日本では、ファッションや表現に関して「意図がなければ問題ない」という寛容さが重視される傾向にあります。
一方、韓国では、歴史や政治に関わる表現について非常に繊細で、背景を重んじる姿勢が根強く残っています。
それゆえ、同じ出来事に対する受け止め方が、大きく異なる結果を生むのです。
また、今回の騒動は帽子に書かれた英語のフレーズがSNSで拡散されたことがきっかけとなり、一気に広まったとされています。
画像が瞬時に拡散される現代において、ファッションも“メッセージ”として扱われるリスクがあるということが、改めて浮き彫りになりました。
さらに、BTSは過去にも類似の騒動を経験しています。
2018年には、メンバーのジミンが原爆に関連するデザインのTシャツを着用していたとして批判を受け、謝罪したことがありました。
当時も、日韓両国で異なる反応が見られたため、今回の件に対して「またか」といった声が、一部の韓国ネット上で見受けられました。
このように、グローバルなアーティストにとって、文化的背景や言葉の重みを意識した行動は、避けて通れないテーマとなっています。
特にSNS時代では、小さな“選択”が、大きな“意味”を持ってしまうこともあるのです。
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