「漫画rawのような違法漫画サイト、見るだけなら犯罪じゃないの?」
こんな疑問を持って検索している方が増えています。
たしかにサイト運営者は摘発されるニュースをよく見ますが、閲覧行為が著作権法の違法対象に明確に含まれていないため、「閲覧しただけ」で逮捕されたという話はほとんど聞きません。
では、なぜ閲覧は違法とならないのか。
また、本当にリスクはないのか。
この記事では、日本の著作権法の観点からこの疑問に答えつつ、閲覧行為のグレーな側面や注意点もわかりやすく解説します。
読み終わるころには、安心して判断できる材料がきっと手に入るはずです。
一緒に整理していきましょう。
目次
漫画rawの閲覧はなぜ違法とならないのか?
結論から言えば、漫画rawなど違法漫画サイトを閲覧する行為は、現行の日本の著作権法では「明確な違法行為」としては位置づけられていないためです。
著作権法が禁止しているのは、主に以下のような行為です。
- 著作物の無断コピー(複製)
- 著作物の無断配布・公開
- 著作物の違法ダウンロード
違法漫画サイトの運営者は著作権者の許可なく漫画をアップロード・公開しているため、これは明確な著作権侵害です。
一方で、ユーザーがサイト上で漫画を読むだけの行為は、自分の端末に恒久的なコピーを作成していないため、通常は「複製」や「公開」には該当しません。
たとえば、書店で本を立ち読みするのと似た状況とも言えます(ただし、倫理面は別問題です)。
違法ダウンロードとの違いに注意しよう

ここで重要なのは、「閲覧」と「ダウンロード」は法律上しっかり区別されているという点です。
2021年の著作権法改正により、違法にアップロードされた有償著作物を意図的にダウンロードする行為は、音楽や映像に加えて漫画(静止画)も一部対象になりました。
つまり、違法にアップロードされた漫画を意図的に保存する行為は、違法行為に該当する場合があります。
ただし、スクリーンショットやブラウザのキャッシュに自動保存されるデータなどは、現時点では違法とされにくいグレーゾーンです。
そのため、「見るだけなら大丈夫」と考えてスクショを撮る行為は、違法ダウンロードに該当する可能性があり、リスクが高いと理解しておきましょう。
閲覧はグレーゾーン?見えにくいリスクも
閲覧自体は現状、法律上すぐに処罰対象になることは少ない。
しかし、安心してよいかというと、そうとも言い切れません。
違法サイト運営を支えてしまう
違法サイトは広告収入を主な収益源としています。
閲覧者が増えることで、サイト運営者に利益が流れる仕組みです。
つまり、「自分は見ただけ」であっても、間接的に違法ビジネスを支えている面は否めません。
この倫理的な側面は、ぜひ意識しておきたいところです。
ウイルス感染や詐欺被害のリスク
違法サイトにはウイルス感染の危険性や詐欺広告が仕込まれていることが多くあります。
広告をタップして有料登録されたり、ウイルスに感染したりする被害も報告されています。
閲覧しただけのつもりでも、こうしたリスクは現実に存在します。
法改正の可能性
さらに、著作権法は時代に応じて改正されてきたという点も見逃せません。
今後、違法サイトの閲覧行為自体が規制対象になる可能性も考えられます。
現時点で閲覧履歴が原因で摘発される可能性は極めて低いですが、今後の動きには注意しておくべきでしょう。
閲覧による個人のリスクはどこまである?

「見るだけなら大丈夫」と考える方も多いですが、現実にはいくつかのリスクが存在します。
まず確認しておきたいのは、違法漫画サイトの利用者が摘発されるケースは極めてまれということ。
たとえば、かつて大きな社会問題になった漫画村でも、摘発の対象はサイト運営者でした。
漫画村は2016〜2018年ごろに急速に拡大した日本最大級の違法漫画サイトです。
月間アクセスが数千万〜1億件規模とも言われ、漫画業界に巨額の損害を与えたとして大きな社会問題となりました。
この事件で逮捕されたのは**運営者(星野ロミ氏)**であり、閲覧していた一般ユーザーが処罰された事例は確認されていません。
これは、日本の著作権法が「閲覧」を直接違法行為として定めていないためです。
それでもリスクはゼロではない
ただし、次のようなリスクは現実に存在します。
- サイト内で意図的に画像やファイルを保存した場合 → 有償著作物をダウンロードすると違法ダウンロードに該当(懲役2年以下または罰金200万円以下)
- サイト上の詐欺広告による金銭被害 → 法的には自己責任となる場合が多い
- 端末のウイルス感染 → 個人情報流出や被害が出る恐れ
また、過去の閲覧履歴が問題視される可能性は現時点で極めて低いですが、将来の法改正には注意が必要です。
「知らなかった」では通用する?法的な注意点
もう一つ大切なのは、仮に自分は違法サイトとは知らなかったとしても、それが必ずしも免罪符になるわけではないということです。
故意と過失
法律上、違法行為として処罰されるには故意(知ってやった)が必要な場合が多いですが、近年は注意義務も重視されつつあります。
たとえば、
- 違法サイトを意図的に検索する行為
- 明らかに怪しいサイトにアクセスして閲覧を繰り返す行為
こうした行動をしていた場合、「知らなかった」では通りにくいリスクがあります。
画面の注意喚起は効果がない
違法サイトの中には
「違法サイトではありません」
「自己責任で見てください」
などと記載されていることがあります。
しかし、これらは法的効力を持たず、むしろ違法性を察知できたと見なされやすいのです。
「注意書きがあったから問題ない」とは一切言えません。
公式サービスを使うメリットとおすすめ例
違法サイトにアクセスしてまで漫画を読むのは、割に合わないリスクがあることが分かってきたと思います。
それなら、安心して楽しめる公式サービスを使う方が、自分にも業界にもメリットが大きいのです。
公式サービスのメリット
- 法的に安心 → 違法性ゼロ
- ウイルスや詐欺リスクがほぼない
- クリエイターに正当に収益が還元される → 漫画文化の発展に貢献
たとえば、外食で代金をきちんと払うのと同じ感覚。
公式サービスを使うことで、好きな作品や作家を正当に応援することができます。
今後の法改正の可能性と意識したいポイント
現時点で違法漫画サイトの閲覧行為そのものは明確な違法行為ではありません。
しかし、これは法律の現状にすぎず、今後もこの状態が続くとは限りません。
法改正の流れに注意
著作権法はこれまでにも、インターネットの利用実態に応じて段階的に改正されてきました。
とくに2021年の法改正では、漫画などの静止画について、有償著作物を意図的にダウンロードする行為が新たに規制対象となりました。
背景には、漫画村問題などで業界に深刻な被害が出たことがあります。
閲覧規制はどうなる?
閲覧行為自体が規制対象となる可能性は現時点では低いですが、違法サイトの利用が社会的に大きな問題として認識され続ければ、将来的に議論される可能性もあります。
法改正の動向には今後も注意が必要です。
意識したいこと
違法サイトの利用が習慣化してしまうと、法改正後に意図せずダウンロードなどの違法行為に該当するリスクがあります。
今のうちから健全な利用習慣を意識しておくことが大切です。
具体的には以下の行動をおすすめします。
- 公式の配信サービス(マンガワン、ピッコマ、Kindle、ジャンプ+、DMMブックス など)を活用する
- 違法サイトや違法コンテンツに意図的にアクセス・ダウンロードしない
- 著作権法や公式発表の動向に最新の注意を払う
まとめ:安心して漫画を楽しむために
この記事では、
- なぜ漫画rawの閲覧が現行法で犯罪にならないのか
- どんなリスクが存在するのか
- 漫画村の事例から学べること
- 公式サービスの選び方とそのメリット
- 今後の法改正の可能性
といった視点から、違法漫画サイトの閲覧に関する法的な立ち位置とリスクを整理してきました。
現時点では「漫画rawを閲覧しただけ」で処罰されるケースはほぼありません。
しかし、それが倫理的に適切かどうか、またクリエイターや業界に損害を与えないかどうかは、別の問題です。
安心して漫画を楽しむために、ぜひ以下を心がけましょう。
- 公式の配信サービスを活用する
- 違法サイトの利用を避ける
- 情報のアップデートを怠らない
私たち一人ひとりの行動が、結果として漫画文化の発展につながります。
これからも安心・安全な環境で、お気に入りの作品を楽しんでいきましょう。