2025年の紅白歌合戦に、K-POPグループaespaが初出場。
華やかなニュースの裏側で、いま静かに広がる“出場停止”を求める動きが話題になっています。
発端は、ニンニンの過去投稿にまつわる“ある写真”。
一見すると何気ないその内容が、いま「原爆ランプ炎上」として再注目され、署名活動にまで発展しています。
なぜ、3年前の投稿が今になって波紋を広げているのか。
aespaの紅白出場に何が起きているのか――
その背景と展開を、丁寧にひもといていきます。
aespaの紅白出場が決まってから、SNSが一気にざわつきました。
「#aespa原爆ランプ事件」
「#aespaの紅白出場取消を求めます」
こんなハッシュタグが、Xのトレンドにぐんぐん上がっていったのです。
きっかけは、メンバーのニンニンが2022年にファンアプリ「Bubble」に投稿した、あの“きのこ雲ランプ”の写真。
ライト自体は市販されているインテリアですが、日本ではどうしても原爆のきのこ雲を思い出すかたが多く、そこに「かわいい」とコメントしたことで、いま再び火がついてしまった形です。
しかも今年の紅白は特別な年。
戦後80年、NHK放送100年という大きな区切りで、司会は有吉弘行、綾瀬はるか、今田美桜。
総合司会は鈴木奈穂子アナ。
そしてトリ候補には、
白組:福山雅治(長崎出身)
紅組:MISIA(長崎出身)
という“被爆地ゆかり”のアーティストが並ぶ、とても象徴的な構図なんです。
そんな中で、過去に原爆をイメージさせる投稿をしたメンバーがいるグループが出るとなれば、視聴者の目が厳しくなるのもむりはありません。
署名活動も急速に広がりを見せています。
Xでも、賛否どちらの声も強く、こんなポストが飛び交っています。
「公共放送に出るには配慮がたりないと思う」
「3年前の投稿を今さらほり返すのはちがうのでは?」
「デザインをかわいいと思っただけでは?」
そしてさらに、11/18時点では、被爆者団体のNHKへの抗議声明がつづけて出されているという情報も出ており、議論はより熱く、より広くひろがっている状況です。
一方で、aespa側は今のところだんまり。
ファンのあいだでは「静観なのか」「対応を考えているのか」とそわそわした声も増えています。
紅白に出るべきか、取り消すべきか。
いま、ネットの空気はまさに大わらわ。
紅白への出場が決まった直後に炎上。
そして始まった「aespaを紅白から外してほしい」という署名活動。
ここまでくると気になるのは、本当に出場が取り消されることってあるの?という点です。
たしかに話題は大きくなっています。
ですが、NHKがこれまでに紅白の出演者を発表後に入れ替えたケースは、かなりレアなんです。
ちょっと前に話題になった、BTSの“原爆Tシャツ”騒動(2019年)も思い出されますが、あのとき出演を見送ったのはNHKではなく民放(テレビ朝日)の音楽番組。
NHKは民放よりも「公共放送としての中立性」や「公平性」を重んじるぶん、スキャンダルや抗議に対しても、そう簡単には動かない姿勢をとることで知られています。
今回の騒動は、ニンニンが3年前に投稿した「きのこ雲のようなランプ」の写真が発端。
つまり、“今起きた出来事”ではないんですね。
過去に静かに投稿されたものが、紅白という日本で最も注目される年末イベントの舞台と結びついたことで、いま炎上しているという構図です。
では、炎上の規模はどれほどか?
Change.orgで確認できる主な署名活動では、11月17日の開始からわずか1日で1.5万件を突破。
X(旧Twitter)では14万件を超える拡散投稿も確認されており、署名の勢いは加速しています。
つまり「空気」がじわじわと重くなっているのは、たしかな事実。
ただし――
11月18日現在、NHKは沈黙を貫いたまま。
公式サイトやメディア向け発表でも、aespaに関するコメントは出ていません。
過去の例を見ても、出演者が選考段階で交代するケースはあるものの、発表済のグループが降板するのは異例中の異例。
このことからも、NHKが今すぐaespaの出場を見直すとは考えにくい状況です。
過去の紅白出場取り消し事例を参考にすると、署名が10万件を超えるとNHKがコメントを出す可能性が出てきます。
20~30万件以上で、出場見直しが現実的に検討されるラインかな。
ただし、最終判断は視聴率や世論の動向、政治的・社会的反響を含めたNHKの内部判断によると思います。
では、aespaや所属事務所SMエンタテインメントはどうかというと、こちらも動きはありません。
過去に北京五輪での発言が炎上した際は、グループ全体のBubble投稿が自粛されたという前例はあるものの、今回についてはまだコメントも投稿の変化もなし。
“完全に沈黙”している状態です。
ただ、ネットではこうした沈黙に対して「さすがに何かしら対応した方がいいのでは?」という声もちらほら。
芸能メディア関係者の中には「このまま出場は濃厚。でも何らかの形式でコメントが出る可能性はある」と読む人もいるようです。
現実的には、aespaがこのまま紅白に出演する確率が高いでしょう。
ただし、それは「問題がなかったから」ではなく、「事務所もNHKも動いていないから」というだけのこと。
火がついたこの騒動がどう転ぶかは、今後の署名の動きや、NHK・aespa側の対応ひとつで大きく変わってくるかもしれません。
aespaのメンバー・ニンニンをめぐる炎上、じつは今回が初めてではありません。
2022年の冬――場所は北京オリンピック。
このときも、SNSがちょっとした騒ぎになりました。
ニンニンは、ファンアプリ「Bubble(バブル)」で中国のショートトラック男子リレーが金メダルを獲得した直後に、「わあ、最初の金メダルおめでとう。卒業生で光栄」と投稿しました。
この投稿がなぜ問題視されたのか。
実は当時、韓国の選手が疑惑の判定で敗退し、「中国びいきでは?」という不満が韓国国内で噴き上がっていた真っ最中だったのです。
そこへニンニンの祝福メッセージ。
韓国の一部ファンからは、「これは中国寄りすぎる」「チート支持か?」と反発の声が続出。
その後、ニンニンの投稿は削除され、Bubble上で数週間の沈黙期間に入りました。
aespa全体の更新頻度も明らかに落ち込み、ファンの間では「自粛ムードでは?」とささやかれるように。
そして2月25日に彼女が投稿を再開した際、再び炎上が再燃するという苦い流れも経験しています。
このときも、公式の謝罪や説明はありませんでした。
沈黙を保ちつつ、火が消えるのを待つ――
それが当時のSMエンタの“対応方針”だったようです。
さて、今回の“原爆ランプ投稿”と比べてみると、オリンピックの件はまだ「スポーツの国際問題」に近いものでした。
一方、今回は日本にとって非常にデリケートで歴史的なテーマが関わっています。
「キノコ雲=原爆」というイメージが、広島・長崎に住む人々にとってどれほど重い意味を持つのか。
言葉にしなくても、空気でわかる――そんな感覚があるのが日本です。
にもかかわらず、その象徴的な形を「可愛い」と表現してしまった投稿は、善意・悪意に関係なく、感情を逆なでする結果になってしまいました。
いまこの瞬間も、紅白本番が近づく中で、ネットでは毎日のように
「出場していいのか?」
「NHKはどうするんだ?」
という議論が続いています。
そして最後に、あらためて問いかけます。
aespa紅白出場停止は?
これはもう、ひとつのアイドルグループをめぐる話ではありません。
文化・歴史・表現・国民感情――それらが交差する、かなり難しい問題に発展しているのです。
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