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ブルージェイズはなぜMLBに参入できた?北米スポーツ構造を徹底解説

 

カナダに本拠地があるはずのブルージェイズが、なぜアメリカのMLBに所属しているのでしょうか。

地図を見れば違和感。けれど画面を見れば自然。

そんな不思議な“混在”には、実は明確な理由があるんです。

それは単に「地理が近い」からでも、「仲がいい」からでもありません。

北米プロスポーツならではの、ちょっと特殊な構造と、ある都市が持つ“条件のそろい方”。

深掘りしてみると、スポーツビジネスの意外な舞台裏が見えてきます。

 

MLBにカナダチーム?なんで?

 

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「ブルージェイズってさ、カナダのチームでしょ?でもなんでアメリカのメジャーリーグ(MLB)に出てるの?」

これ、じつは意外と野球ファンでもパッと答えられない疑問なんです。

言われてみれば…たしかに謎。

 

でも答えはシンプル。

カナダとアメリカって、スポーツの世界ではめちゃくちゃ仲良しで、ほぼ“同じ経済圏”として見られてるからなんです。

もちろん国境はあるんだけど、お金の流れとか文化とか、チームの移動のしやすさとか、いろんな面で「一緒にやったほうが早いよね」ってノリがあるんですね。

北米の一体感。

実際、ブルージェイズがMLBに入った1977年当時、アメリカは「もっと稼げる場所ないかな〜」って感じで、カナダのトロントに注目したわけです。

しかもこの年、アメリカのシアトルにも「マリナーズ」っていう新チームが誕生してて、もう完全に“拡大フェーズ”。

「国境?そんなもんビジネスの前じゃ関係ないっしょ」って空気、ありました。

 

たとえるならこう。

「大阪のコンビニが、儲かりそうだから京都にも出店する」みたいな感じ。

県をまたいでも、お客さんがいるなら出すよね?って話。

ビジネスの論理。

 

もちろん、国をまたぐとなるともう少し複雑ではあるけど、トロントにはそれでも参入したくなる理由がちゃんとそろってたんです。

しかも、実はその8年前の1969年にはモントリオール・エクスポズっていうカナダの先輩チームがすでにMLBに参戦してました。

だから「ブルージェイズ=カナダ初」じゃないんですね。

前例の存在があって、心理的ハードルも低かったというワケ。

 

でも忘れちゃいけないのが、MLBってアメリカの文化アイコンみたいな存在。

そのリーグに“外国のチーム”が入るって、ふつうに考えたらけっこう異例なんです。

それでもブルージェイズがOKされたのはなぜか?

 

それは、

  • 人が多くてチケット売れそう
  • 野球がすでにそこそこ人気
  • 国として安定しててリスク少なめ
  • アメリカと経済的にもバッチリつながってる

という感じで、MLB側が「信頼できる相手」と判断したからなんですね。

信頼の積み重ねって大事。

 

つまりブルージェイズって、“カナダだから特別扱い”とかじゃなくて、アメリカの都市と同じくらいの扱いを受けてたってこと。

最初は「なんで?」って思うけど、その裏には、北米というでっかいスポーツ市場の中で自然に生まれた流れがあるんです。

 

国境って、ただの線なんですよ。

その線を超えて、人とお金と熱気が動くのがスポーツのすごいところ。

だからこそ、ブルージェイズはMLBにいるんです。

 

ブルージェイズ参入の理由って?

 

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カナダって広いのに、なんでその中でもトロントが選ばれたの?って思いますよね。

でもこれ、たまたまとか、運が良かったとかじゃありません。

ちゃんと理由があるんです。

というか、トロントは最初から“できすぎた街”だったんですよ。

まず、めちゃくちゃお金がまわってる街だったこと。

1970年代のトロントって、カナダの中でも金融とか、工場とか、不動産とか、そういうのがガンガン集まってた場所で、今で言うと「東京と大阪を足して2で割らない感じ」くらいのパワー。

ビジネスが活発だから、スポンサーも付きやすいし、球団運営の見通しもバッチリ。

MLBにとって理想的な土壌。

 

それにね、地元の人たちがスポーツ大好きだったのもポイント。

NHL(アイスホッケー)のメープルリーフスとか、すでに超人気チームがあって、「新しいチームが来たら絶対盛り上がるだろうな〜」って空気があったんです。

 

そして「球場あるの?」って話なんだけど、これもちゃんと用意されてました。

1977年当時にはエキシビション・スタジアムっていう会場がすでに稼働中。

めちゃくちゃ豪華ってわけじゃないけど、MLBの試合がちゃんとできるクオリティで、観客席もアクセスも問題なし。

 

さらに言うと、場所的にもベストポジション。

トロントってアメリカの国境に近くて、ニューヨークとかボストンともそんなに遠くないんです。

東京から大阪に行くぐらいの感覚。

「観光ついでに敵地観戦♪」みたいなノリで、ファンの移動も現実的だったんですね。

 

で、ここからがちょっとおもしろい話。

実はその1年前の1976年に、サンフランシスコ・ジャイアンツっていう球団が、経営がヤバくなって「トロントに引っ越すか…」みたいな話が本気で出てたんです。

でもね、アメリカ側のファンが「それはやめてくれ!」って猛反対して、計画はおじゃんに。

ただ、そのときMLBは気づいたんです。

「トロントって、マジで野球チームほしがってるじゃん」って。

 

で、翌年。

「じゃあ新しくチーム作っちゃう?」ってことで、トロント・ブルージェイズが新チームとして誕生したというわけ。

つまりこの流れ、「ジャイアンツは来なかったけど、その熱意があったからブルージェイズが生まれた」って感じです。

 

どうですか?

なんか運命の導きってより、準備万端な街が、順当にチャンスをつかんだって話ですよね。

経済も、球場も、ファンの熱もそろってて、しかも「うちにチームを!」っていう熱望まであった。

MLBがそこに目をつけないわけがなかったんです。

 

つまり、ブルージェイズが選ばれたのはラッキーじゃない。

「そうなるべくしてなった」都市だったんです。

 

北米スポーツの構造ってこうなってる!

 

実は、MLBをふくむ北米のプロスポーツって、“国がちがう”ことより、“一緒にもうけられるか”を大事にしてるんです。

つまり、アメリカとカナダはスポーツ界では“ほぼ同じエリア”扱い。

だから国境をまたいでも、ふつうにチームが入り混じってるんですね。

この独特なしくみ、わかりやすく言うと「北米スポーツ構造」ってやつです。

たとえば、NHL(アイスホッケー)とかNBA(バスケ)とかMLS(サッカー)とか、ぜんぶアメリカとカナダのチームがいっしょになってリーグを作ってます。

イメージしやすく言えば…Jリーグに韓国とか中国のクラブが入って、ふつうに毎週リーグ戦やってるみたいな感じ。

ちょっとびっくりするけど、それが北米では当たり前なんです。

 

じゃあ、なんでそんなことができるの?って話ですよね。

答えはカンタン。

アメリカとカナダって、文化も経済もすっごく近いから。

場所もお隣だし、道路も鉄道も飛行機もつながってる。

通貨は違うけど、経済はバッチリ連携してて、言葉もほとんど英語。

ビジネスルールも似てて、もう「一緒にやった方がはやいじゃん」状態なんです。

 

スポーツの人気も同じような感じ。

野球、バスケ、ホッケー、どれも両国でしっかりファンがついてます。

だから国境はあっても、壁はない。

もうそれくらい一体化してるってことですね。

 

たとえばNHLなんて、もともとはカナダのスポーツですよ。

でも今じゃチーム数はアメリカの方が多くて、2025年現在では「アメリカ25、カナダ7」。

とはいえ、カナダのチームはファンの熱がすごい!

チケットは売れるし、テレビも見られるし、グッズも売れまくる。

つまり、リーグ全体の人気を支える“熱い柱”になってるんです。

 

アメリカは「金になるなら歓迎!」ってスタンス。

一方で、カナダも「うまく協力して一緒に稼ごう」ってノリでのってきてる。

この対等で前向きなビジネス関係が、北米スポーツの面白いところなんです。

 

だからこそ、ブルージェイズのようなカナダのチームも、MLBに“ふつうに”参加できてるんですね。

しかも、「まあ1枠くらいあげとくか」って感じじゃなくて、「トロント、めちゃ条件いいし来てくれ!」って本気のラブコールだったんです。

 

で、最後におさらいです。

ブルージェイズがなんでMLBに入れたのか?

それはズバリ、北米スポーツ構造っていう特別なしくみがあったからです。

MLBって「アメリカだけの野球リーグ」じゃない。

アメリカとカナダ、両方が支える“北米のエンタメビジネス”なんです。

 

トロント・ブルージェイズはそのどまんなかで、いまもファンの声援を受けながら、堂々と戦い続けています。

konami

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