2025年12月17日、SBI新生銀行が東証プライム市場に再上場します。
「あれ、SBI証券のIPOって当たりやすいの?」
「そもそも銀行の再上場って何?」
そんな疑問を持つ方も多いはずですよね。
この記事では、忙しいあなたでもサクッと理解できるよう、IPOの仕組みと攻略法をわかりやすく解説します。
目次
「再上場」という言葉、ニュースで聞くとちょっと難しそうに感じますよね。
簡単に言うと、一度上場していた銀行が、もう一度株式市場に戻ってくることです。
実はSBI新生銀行、昔は「日本長期信用銀行」という名前でした。
バブル崩壊後の金融危機で経営が悪化し、なんと約3,700億円もの公的資金(つまり私たちの税金)が投入された過去があるんです。
この金額、ちょっと想像がつかない規模ですよね。
その後、2023年1月にSBIホールディングスが株式を買い占めて、いったん市場から姿を消しました。
そして2025年7月、ついに残っていた約2,300億円の公的資金を完済。
これで晴れて再上場できる準備が整ったというわけです。
背景にあるのは、かなり野心的な計画と言われています。
SBIグループは「第4のメガバンク」を目指しており、地域の金融機関と手を組んで勢力を拡大中とのこと。
今回の再上場で約3,676億円を調達し、さらなる成長を狙っているようですね。
次に、SBI証券でIPOに申し込む時のルールを見ていきましょう。
ここが「宝くじ」とは少し違うポイントです。
SBI証券のIPO抽選には、大きく分けて2つの面白い方式があります。
まず1つ目は「完全平等抽選」です。
これは全体の配分の約60%を占めていて、資金があまりない方でも、申し込んだ株数に応じて公平に確率が決まります。
資金拘束なしで複数の銘柄に申し込めるので、初心者の方でも安心してチャレンジできるのが嬉しいですよね。
そして2つ目が、SBI独自の「IPOチャレンジポイント抽選」です。
これには驚きなのですが、なんと「落選するたびに1ポイントもらえる」という仕組みなんです。
貯まったポイントを使うと、ポイント数が多い人から順に当選するというルールになっています。
年間70〜80件ほどの案件があるそうなので、外れても「ポイントが貯まったから良しとしよう」とポジティブに捉えられますし、地道に貯めればいつか必ずチャンスが巡ってきます。
つまり、「運」だけでなく「努力」でも勝負できるんです。
よくある勘違いとして、「SBI」という名前が共通しているので、「SBI新生銀行のIPOだから、SBI証券で申し込むと有利なの?」と思ってしまう方が多いようです。
でも実際は、全くの別物と考えたほうが良さそうです。
「SBI新生銀行の再上場」は銀行が資金を集めるためのイベントであり、「SBI証券のIPOルール」はその株を買うための抽選の仕組みに過ぎません。
例えるなら、「コカ・コーラの新商品」と「自動販売機の使い方」くらい違う話なんですよね。
さて、ここからが本題です。
SBI証券でSランク(超人気)のIPOに当選する確率は、一般的にわずか0.1〜0.5%程度と言われています。
数字だけ聞くとピンと来ないかもしれませんが、東大の合格率が約30%だとすると、その100分の1以下という狭き門です。
宝くじの1等よりはマシかもしれませんが、当たったら「奇跡」と言っていいレベルですよね。
なぜこんなに低いのか、過去の実例を見てみると納得です。
例えば、2022年のANYCOLOR(にじさんじ)の時は、約40万人もの応募があったのに対し、個人への配分はわずか約2,000株でした。
単純計算でも0.5%ほどです。
また、2021年のグローバルセキュリティエキスパートの際も、応募者は約50万人に達し、当選確率は0.3〜0.5%程度だったと推測されています。
楽天証券やマネックス証券など、他のネット証券でも似たような状況ですので、人気銘柄ほど当選が難しいのは間違いありません。
「そんなに確率が低いなら、やるだけ無駄じゃない?」
そう思うのはまだ早いです!
SBI証券には、先ほどお話しした独自の攻略法があるからです。
配分の約30%を占めるこの枠は、ある程度まとまった資金がある方に有利です。
一般的には500万円以上の資金があると競争力がアップすると言われています。
過去には、Sランクの銘柄でも500万円超の資金を用意して当選したという報告が多数上がっているようです。
こちらはコツコツ派の方向けです。
Sランク銘柄に当選するためのボーダーラインは、だいたい200〜300ポイントと言われています。
つまり、200〜300回落選してポイントを貯める必要があるということですね。
「気が遠くなりそう…」と思うかもしれませんが、ポイントを使って落選してもポイント自体は戻ってきます。
根気よく続けていれば、いつか必ず当たる仕組みになっているのは希望が持てます。
狭き門であることは確かですが、諦めなければチャンスはありますし、複数の証券会社に分散して申し込むのも賢い戦略と言えるでしょう。
ここからが少し面白い話になります。
過去、投入された公的資金を完全に国へ返すためには、株価が7,450円になる必要があったと言われていました。
これは発行済みの株式数から逆算された数字です。
ところが、今回の再上場での仮条件は1,440〜1,450円。
あの「7,450円」の約5分の1という水準です。
「えっ、そんなに安くて大丈夫なの?」と心配になりますよね。
実は、公的資金自体は2025年7月にすでに完済済みとのこと。
今回の再上場はあくまで新たな資金調達が目的なので、かつてのような高い株価を設定する必要がなくなったというわけです。
では、実際にいくらくらいの値がつくのでしょうか。
市場関係者の間では、初値は1,590〜1,960円(+10〜35%)あたりになるのではないかと予想されています。
かなり控えめな数字に見えますが、これにはいくつか理由があります。
まず、今回のIPOは約3,676億円という超大型案件であるため、売り買いのバランス(需給)が悪化しやすいという懸念があります。
また、投資家の頭の中に過去の「7,450円」という数字が残っていて、「高値づかみしたくない」という警戒感があるのかもしれません。
同業の楽天銀行と比べると割安という見方もありますが、PERやPBRといった指標で見ると微妙なラインだという声も聞かれます。
さらに、TOB価格をめぐる訴訟問題も未解決のまま残っているようで、不安要素がゼロではない点は注意が必要です。
過去には、公募価格を高く設定しすぎて、再上場後に数週間で20%以上も株価が下落してしまった金融機関の例もあります。
個人的には、初値ですぐに利益を狙うというよりは、SBIグループ全体の連携による成長に期待して、長期的に保有するのが良いのではないかと思います。
配当利回りは少し低めですが、銀行株ならではの安定性は魅力ですよね。
当選確率は確かに厳しいものがありますが、ただ運を天に任せるだけでなく、戦略を練れば可能性は広がります。
SBI証券のチャレンジポイントを地道に貯めたり、資金に余裕があれば多めに用意したり、あるいは複数の証券会社から申し込んでみたり。
初値売りで一発逆転を狙うのも良いですが、長期的な視点で応援するのも投資の醍醐味です。
宝くじとは違って、自分の努力と戦略で勝率を上げられるのがIPOの最大の魅力。
休日のちょっとした楽しみとして、ゲーム感覚でチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
もし当たったら、その日の夕食はいつもよりちょっと豪華にできるかもしれませんよ。
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