芸能界で長年注目を集めてきた広末涼子さんが、双極性感情障害の診断を公表しました。
44歳という節目でのこの発表に、多くの人が驚きとともに関心を寄せています。
実はこのタイミングでの診断、決して“珍しい話”ではないのです。
一見するとパワフルで魅力的な人ほど、周囲には伝わりにくい“心の不調”。
それがじわじわと表に出てくることもあります。
思い返してみると、広末さんの過去の行動や言動に、どこか違和感を覚えたことはありませんか?
もしかすると、その裏には知られざる背景があったのかもしれません。
この記事では、双極性感情障害とは何か、なぜ44歳で診断されることがあるのか、そして彼女のこれまでの歩みと病気との関連について丁寧に解説していきます。
「双極性感情障害」という言葉、聞いたことはあっても、正確に説明できる人は意外と少ないかもしれません。
以前は「躁うつ病」と呼ばれ、現在もその名で知られることがあるこの病気は、気分が極端に高まる“躁状態”と、どん底まで沈む“うつ状態”を繰り返す精神疾患です。
たとえば、ある時期は朝からテンションMAX、アイデアが止まらずにしゃべりっぱなし。
でも、別の時期には急にベッドから起き上がれず、「何もかも嫌だ…」という気分に襲われてしまう。
この“気分のジェットコースター”が、本人にも周囲にも大きな負担になるのが特徴です。
そして実はこの病気、大きく「I型」と「II型」に分けられます。
「I型」は、完全な躁状態を経験するタイプ。
つまり、日常生活に支障が出るほどのハイテンションや突飛な行動が現れます。
「II型」はそこまで極端ではなく、軽い躁状態(軽躁)とうつ状態を繰り返すタイプ。
本人は「ちょっと元気な時期があるだけ」と思っていても、それが実は症状だった…というケースも少なくありません。
実際、「うつ病と診断されたけど、実は双極性だった」というケースはよくあります。
特に“軽躁”は、周囲からはただの「調子のいい人」と思われがちなので、見逃されやすいのです。
エネルギッシュな印象の人ほど、「明るくて面白いよね」で片づけられがちなんです。
その結果、適切な治療のタイミングを逃してしまうことも…。
そんな中で注目されたのが、広末涼子さんのケース。
彼女のようなハツラツとしたタイプでも、この病気と向き合っている可能性がある――そう考えると、双極性感情障害という病気がより身近に感じられてきませんか?
次は、「じゃあそんな病気が44歳でいきなり発症することってあるの?」という疑問に答えていきます。
「双極性感情障害って、若い人の病気じゃないの?」
そんなふうに思っている方、多いのではないでしょうか。
実際、発症のピークは10代後半から20代にかけてといわれています。
人生の転機が重なる時期。
進学や就職、恋愛、独立…環境が激変するタイミングでもありますよね。
でも実は、この病気、40代以降になってから診断されることもあるんです。
医学的には「晩期発症」と呼ばれ、けっして珍しいことではありません。
44歳という年齢、広末涼子さんの今回のケースも、この晩期発症に当てはまります。
「今まで何ともなかったのに、このタイミングで?」
と不思議に思う方もいるかもしれません。
でも、そこにはいくつかの“きっかけ”が隠れている可能性があります。
まずひとつは、ストレスや生活環境の変化です。
40代というのは、仕事でも家庭でも責任が重くなる年代。
子育てや親の介護、職場でのポジションの変化など、「板挟み世代」とも呼ばれるほど、心身ともにプレッシャーがかかる時期ですよね。
そこに、更年期のホルモン変化も関係する可能性があります。
特に女性の場合、エストロゲンの変動がメンタルに影響を与えることがあるといわれています。
「何となく気分が不安定」
「ちょっとしたことでイライラする」
そんな変化が続くと、本人も戸惑ってしまいます。
もうひとつ注目したいのが、身体的な病気との関わりです。
広末涼子さんは「甲状腺機能亢進症」も診断されていると報道されています。
この病気は、
メンタルに影響を及ぼすこともあるんです。
そうなると、精神的な症状が他の疾患に由来するのか、それとも双極性障害なのか、見極めが難しくなります。
「更年期かな?」
「うつかな?」
と思っているうちに、実は別の病気だった――そんなケースもあるのが現実です。
特に軽躁状態は、「あの人最近元気だね」と周囲にポジティブに受け取られてしまうため、見過ごされやすいんですよね。
でも、元気が“続きすぎる”とか、“妙に活動的になる”など、普段とは違う様子があれば、それはひとつのサインかもしれません。
「まさかこの年で…」
と思っている方にこそ、知ってほしい事実。
年齢に関係なく、心のバランスが崩れることはあります。
それは弱さではなく、変化に適応しようとする体と心のSOSかもしれません。
次は、広末涼子さんのこれまでの行動と、病気との関係について丁寧に考えていきます。
「あのときの言動にも意味があったのでは?」
と、見方が変わるかもしれません。
「広末涼子、また何か話題になってる…」
そんなふうに思ったことのある方もいるのではないでしょうか。
記者会見のキャンセルや、感情的な発言など…
たびたび報道されてきた彼女の行動に、
「ちょっと変わってる?」
という印象を持った人もいたかもしれません。
でも、その背景に病気のサインが隠れていたとしたら――
そう思うと、見方が少し変わってきませんか?
本人が今回、44歳で診断を公表したという事実。
これは大きな意味を持っています。
なぜなら、この年齢まで「個性」や「芸能人らしさ」で片付けられてきた行動が、病気のサインだった可能性があるからです。
双極性感情障害には「軽躁状態」という症状があります。
一見するとポジティブに見えるこの状態も、実は“異常な高揚”であることがあります。
広末涼子さんの過去の行動も、軽躁の特徴と重なる場合があるといわれています。
もちろん、すべてがそうだとは限りませんし、決めつけは禁物です。
ですが、「そうだった可能性もある」と受け止めることは、同じ悩みを持つ人への理解につながります。
芸能界という特殊な環境の中で、感情の揺れを「キャラ」や「演出」と見なされてしまうことも多いでしょう。
そう考えると、本人が自分の不調に気づきにくかったのも無理はありません。
さらに広末涼子さんは、「甲状腺機能亢進症」も診断されていると報道されています。
この病気はメンタル面にも影響を及ぼすことがあり、不安感やイライラ、情緒不安定が出ることもあるのです。
こうした身体的要因が、精神的な不調をさらに複雑にしていた可能性も否定できません。
そして――
44歳での診断公表、遅いと思いますか?
でも実は、晩期発症の双極性感情障害は存在します。
40代、50代で初めて症状が現れたり、以前の軽い症状が見過ごされていたりというケースもあるのです。
むしろ、これまで病気のサインが見過ごされてきた可能性もあるかもしれません。
それは本人だけでなく、周囲も「元気で明るい人」と受け止めていたから。
でも、明るさの裏に苦しみがあったとしたら…。
そう考えるだけでも、見方がガラリと変わるのではないでしょうか。
広末涼子さんの公表とその背景。
それは、双極性感情障害が40代で診断される可能性を、リアルに伝える力を持っています。
「奇行」とされていた行動が、実は病気のサインだったかもしれない――。
その可能性を知っておくことは、私たちの誰にとっても無駄ではないはずです。
大切なのは、外から見える部分だけで判断しないこと。
そして、心のサインにちゃんと耳を傾けること。
広末涼子さんの勇気ある告白が、その気づきの第一歩になるかもしれません。
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